【書評】クエスチョン 答えはその中にある

●書 名 :クエスチョン 答えはその中にある
○著 者 :ジョン・G・ミラー
○出版社 :日本能率協会マネジメントセンター

クエスチョン 答えはその中にある

  「お客はいつになったら仕様を決めてくれるんだ。」
  「こいつら、ちゃんと納期を意識して仕事をしてんのか。」
  「何でこんなにバグが多いんだ。」
  「誰がこんな仕事を取ってきたんだ。」
  「何で俺がこんな目にあわなきゃいけないんだ。」
  「いつになったら、会社は手を打ってくれるんだ。」
 システム開発の現場では、このような質問が蔓延することは珍しいことではない。プロジェクトに関わる全員が被害者モードの場合もある。

Continue reading "【書評】クエスチョン 答えはその中にある"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

【書評】ジョイ・オブ・ワーク~組織再生のマネジメント

●書 名 :ジョイ・オブ・ワーク~組織再生のマネジメント
○著 者 :吉田 耕作
○出版社 :日経BP

ジョイ・オブ・ワーク~組織再生のマネジメント

Continue reading "【書評】ジョイ・オブ・ワーク~組織再生のマネジメント"

| | Comments (0) | TrackBack (0)

【書評】幸せなITパーソンになるための―いきいきする仕事とやる気のつくり方

●書 名 :幸せなITパーソンになるための―いきいきする仕事とやる気のつくり方
○著 者 :羽生 章洋
○出版社 :ソフトリサーチセンター
○お薦め度:★★★★☆

幸せなITパーソンになるための―いきいきする仕事とやる気のつくり方<br />

 タイトルや表紙に派手さがなく、あまり目立たない本ですが、とても良い本でした。
 もし、若手のITエンジニアから、「自分が読むべき本を何冊か選んでくれ。」と言われたら、そのうちの一冊に、この本を選びたいと思います。

 あとがきによると、この本は、何冊か技術書を書いた著者がはじめて書いた非技術書だそうです。
 社会人になってちょうど15年になる著者が、仕事というものについて悩み、諸先輩や先人の知恵から学び、試行錯誤してきたことを中心にまとめたものだそうです。
 著者自身の試行錯誤の中から生まれただけあって、単なる知識ではなく、文章の一つ一つに「思い」が込められているのを感じました。

 今後のキャリア形成に悩んでいるITエンジニアにとっても、視野が開ける一冊になるかもしれません。お薦めします。

(2004/11/17)

Amazon.co.jpブックストアで、この本に対する他の人のレビューを読む

このサイト管理者の他の書評を読む

| | Comments (2) | TrackBack (0)

成果主義とソフトウエア開発

 先日、『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』(城繁幸 著)を読みました。

 富士通における成果主義賃金制度(目標管理制度)失敗の内幕を、元人事部の著者が赤裸々につづった本です。
 単に暴露本と捉え、敬遠する方もあるかもしれませんが、成果主義(目標管理制度)導入の失敗事例として学ぶべき点がたくさんあります。企業の人事担当者には必読の書と言えるでしょう。

 あくまで、この本を読んでの感想ですが、富士通の成果主義失敗の原因は、
  ・成果主義導入の本来の目的を見失ってしまったこと
  ・従来のライン組織と序列構造を温存したままで成果主義を導入したこと
ではないかと感じました。

内側から見た富士通「成果主義」の崩壊

 成果主義導入の本来の目的は、社員のモチベーションを上げることにあると思います。
 モチベーション理論の中に、ハーツバーグが提唱した「動機付け・衛生理論」があります。これは職務満足と職務不満足に関わる要因はそれぞれ別であるとする理論です。
 例えば、「承認される」、「達成する」ことにより人は自己の職務に満足感を感じます。しかし、それらがなくても不満足になることはありません。これらの要因を「動機付け要因」と呼ばれます。
 一方「給与」、「作業環境」を良くすることよって不満足は解消されますが、満足感を得ることはありません。これらの要因は「衛生要因」と呼ばれます。

 人事考課には育成的側面と賃金評価的な側面があります。
 この二つのどちらに重きを置くかは、各企業の人事方針ですが、個人的には育成的側面に重きを置いた方が良いと思います。
 成果主義を単なる賃金評価制度として設計してしまうと失敗を招くことになります。


 また、あくまで個人的な意見ですが、ソフトウエア開発の現場に、ライン組織を前提とした成果主義、特に目標管理制度を持ち込むのは、不都合をともなうと考えています。

 多くのソフトウエア開発は、プロジェクトチームで遂行されます。
 優秀な一匹狼が集まっても成果は発揮されません。プロジェクトを成功させるのは、優秀で自律した個々人のリーダーシップと、お互いに信頼しあって力を合わせるチーム力が必要不可欠です。

 このような中では、個人の貢献を事前の目標設定や数値化で評価することは困難です
 もし、ソフトウエア開発の現場に目標管理制度を導入するのであれば、従来とはまったく違った発想で設計する必要があると思います。

■Amazon.co.jpブックストアで、『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』対するレビューを読む


| | Comments (0) | TrackBack (0)

夢と地道

 2004.5.31の「日経ビジネス」に、野中郁次郎教授、坂村健教授、ノーベル賞の田中耕一氏の対談が掲載されています。
 この中で、田中さんのコメントが大変印象に残りましたので紹介します。

 私自身も夢を追うところはあります。  でも、実際にやっているのは地道な作業ばかりなんです。どうすれば現行製品の性能が5割アップできるだろうか、とか。ざっくりと2割が夢、8割が地道という感じでしょうか。 (中略)  地道に積み上げる作業をしているうちに、いつに間にかものすごいレベルに達していたいうのは、自分自身の経験でもあるんです。

 ある大学で講演した時、学生に「田中先生は大学生の時にどんな夢を持っていましたかと」質問されたんです。思わず「夢ってあったかなぁ」と(苦笑)。彼らにとっては「まず夢を持たねばならない」という脅迫観念があるようです。でも、それは何かをやっているうちに、結果として出てきてもいいのではないでしょうか。初めに夢ありき、というのも必要だけれども、私自身、夢を持っている時もいない時もあります。少なくとも人に言われて夢を持つものではないでしょう。


 この田中さんのコメントはキャリア形成を考える上で、示唆に溢れていると感じました。
 「夢」があるのは、とても素晴らしいことですね。
 しかし、たった今「夢」がなくても、それほど気にすることはないと思います。
 いろいろな方の話を聞くと、目の前の課題に一生懸命取り組んでいるうちに、突然「夢」が手に入るというのは珍しくなさそうです。

 ただ、問題なのは、目の前を通り過ぎていく「夢」に気がつかない人が多いということだと思います。

| | Comments (1) | TrackBack (0)

人間関係の窮地を乗りきる「哲学」

 先日、私のコーチであるUさんが本をプレゼントしてくれました。
 頂いたのは、鈴木義幸さんの『コーチングのプロが教える決断の法則「これをやる!」 』です。


コーチングのプロが教える決断の法則「これをやる!」


 とても読みやすい本で、一気に読んでしまいました。
 いろいろ参考になる点がありましたが、今回は以下の部分を紹介したいと思います。

人間関係の窮地を乗りきる「哲学」を

 人間関係がうまく構築できない人を見ると、どうやら人間関係が不安定になったときの哲学がないようです。急に怒り出した相手に慌ててしまったり、つれないそぶりを見せた人をただ遠ざけたり。
 それに対して、「人間関係ならまかせて」という人は、窮地を乗り越える「言葉と意味の連結」を持っています。私の同期のように、「一度つくった関係は、切らない」であったり、「誤解は、とことん話して解決する」であったり、「自分をおとしめる発言は、必ず撤回するようリクエストする」であったりと。

 私の周りだけなのかもしれませんが、SEには人間関係が不安定になった時にうまく対処できない人が多いようです。
 これを克服するには、何らかの「哲学」が必要なのだといことは、今まで思い至りませんでした。
 私の身近で人間関係に悩んでいるSEにうまくアドバイスできれば良いなぁと思いました。

 「ところで自分自身はどうなのだろう」と、しばし考えてみました。
 私の場合は、「ギャップ(誤解や食い違い)は、必ず解消する」です。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

【書評】プロジェクトマネジメント

●書名:プロジェクトマネジメント
○著者:近藤哲生
○発行:日本経済新聞社
○お薦め度:★★★★★

実用企業小説プロジェクトマネジメント

 「あきらめの壁をぶち破った人々」に続く実用企業小説の第二段です。
 「あきらめの壁をぶち破った人々」と同じくITプロジェクトを題材にしていますが、今度の舞台はユーザではなく、受注者(SIer)になっています。
 情報サービス業に従事するSEの方々には、より身近な内容です。
 そして、何よりも感動的で勇気が沸いてくる本です。

 『始まった時からすでに失敗している』、こんなプロジェクトが私達の周辺にはたくさんあります。
 主人公の松風大地が、病気入院したプロジェクトマネージャに代わって、急遽配属された「愛川病院向け病室管理システム」も、そんなプロジェクトでした。
 「プロジェクトは人を幸せにするものでなければならない。その成功法則を俺が見つける!」
 主人公の感動の闘いがはじまります。

 私が最も感激したのは、他人とのコミュニケーションが苦手で常に斜に構えているSEの村田が自分の能力を発揮できる場を見つけて生き生きと動き出すシーンです。このシーンで著者は、主人公に以下のように語らせています。

 帰っていく村田の背を見送りながら、松風は、この人事を絶対に成功させたいと思っていた。集団の中で評価されていない者が、実は、「余人でもって代え難し」といった能力を持っているということを皆に知らせたかった。人は必ずしも自分の能力を出し切っているわけではない。隠れた能力をいかに見つけ出して、育て上げていくかということも、プロジェクトマネージャやプロジェクトリーダの重要な仕事であると、松風はあらためて思った。

(2004/02/11)

●Amazon.co.jp ブックストアで、この本に対する他の人のレビューを読む
●メンターピン・コンサルティング「私の本棚を公開します」に戻って他の書評を読む

| | Comments (0) | TrackBack (1)