EVMは幻想か?

 先日、エンジニアリング業界のベテラン・プロジェクトマネジャー達と会食している時に、EVM(アーンドバリュー・マネジメント)の話になりました。

 彼等によると、米国におけるEVMは、調達案件の進捗管理としては使われておらず、超過予算獲得の根拠として利用されているのが実態とのことでした。
 日本の経済産業省はEVMを導入すると言っているが、そんなことをすると大変なことになるとも言っていました。
(そもそもEVMは、請負契約には馴染まないようです。社内における工数管理に限定するなら有効活用できるとの意見でした。)

 PMBOKによってすっかり有名になったEVMですが、確かに実務で使いこなしている人に会ったことはありません。

 一年半前くらいに、大手メーカや大手SIerのPMOの方々ともEVMについて話題になったことがあります。
 その時点では、彼等も今のところ活用事例はないと言っていました。
 大手SIerの方は、自社はWBSも満足に作成できない状態なのに、EVMが導入できる訳がないとおしゃっていました。

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学生さんからの提言

 某大手情報サービス企業での実話です。

 その企業は毎年、インターンシップで学生を受け入れています。
 昨年度の学生へ提示された課題は、全事業部を回ってインタビューし、その企業の「あるべき姿」を提言せよ、と言う内容でした。

 学生の一人は、最終日の発表会で、以下のような提言をしたそうです。

  下請けのSI業をいつまでも続けていても将来は暗い。
  まだ高い値段がつくうちにSI部門をすべて売却し、得た資金を元に新しいビジネスを立ち上げるべきである。

 う~ん。^^;

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上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
[No.036]偶然を仕掛けよう!(2004/04/14)

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■■□  [No.036]偶然を仕掛けよう!(2004/04/14)
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▼上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン バックナンバー
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●お詫びとお礼

 最近、すっかり発行頻度が減ってしまいました。申し訳ありません。
 勤務先での職務範囲が大きく広がった上に、「PMシンポジウム2004」実
行委員のボランティア活動に気合が入り過ぎて、メルマガ発行に費やす時間
がなくなってしまいました。

 「PMシンポジウム2004」の方は、私がPMを担当していた企画フェーズ
がほぼ完了しました。このメルマガも、従来の発行ペースに戻れると思いま
す。

 さて、前回のメルマガには多くの方からご意見ご感想を頂きました。
  
  [No.035]「いきあたりばったり」で行こう!

 メールを送って頂いた方々に心から感謝します。
 フィードバックを頂いたことで、多くの「学び」と「気づき」を得ること
ができました。
 今回は、皆さんから頂いたメールを元にして、前回テーマの続編をお届け
します。


●プランド・ハップンスタンス・セオリー

 まず、ある読者の方から、「@IT自分戦略研究所」のコラムを紹介して
頂きました。
  
 コラム:自分戦略を考えるヒント(4)
 偶然を起こし、偶然を生かす方法~キャリアの8割は偶然に支配される!

 「起-動線」の堀内浩二さんが書かれたコラムです。
 とても素晴らしいコラムですね。前回のメルマガで私が言いたかったこと
が、より具体的にわかりやすく述べられています。

 私がこのコラムを読んで最も衝撃を受けたのは、「プランド・ハップンス
タンス・セオリー」という理論です。
 これは、米国のカウンセリング学会誌等で発表された論文で、「変化の激
しい時代には、キャリアは基本的に予期しない偶然の出来事によってその8割
が形成される」とする理論です。
 そのため個人が自分のキャリアを形成するには、偶然を自ら仕掛けること
が必要になるとされています。


 堀内さんのコラムで「プランド・ハップンスタンス・セオリー」を知った
翌々日くらいに、定期的に訪問している中尾英司さんのサイトをブラリと訪
れてみると、何とそこにも「プランド・ハップンスタンス・セオリー」の記
事が掲載されているではありませんか。
 「おぉ、何たる偶然!」と感激していると、その直後に中尾さんからメー
ルを頂き、「プランド・ハップンスタンス・セオリー」をご紹介頂いたので
す。

 ※「プランド・ハップンスタンス・セオリー」については中尾さんがエピ
ソードを交えながら詳しく解説されています。ご興味のある方は、中尾さん
のサイトを是非ご覧下さい。
 http://www.jiritusien.com/kojin-career-8step12.htm

 中尾さんの記事を読んだ後に、『キャリアショック』をじっくりと読んで
みたのですが、素晴らしい本でした。この本には、「プランド・ハップンス
タンス・セオリー」以外にも、私にとって「眼から鱗」の内容がたくさんあ
りました。
 この本の感想については、また別の機会に述べてみたいと思います。


●仕事は楽しいかね?

 さて別の読者の方からは、「偶然」に対する考え方が似ているということ
で『仕事は楽しいかね?』という書籍をご紹介頂きました。
 この方は、この本に大きな影響を受けられたそうです。

 さっそく購入して読んでみたのですが、私もこの本にも感銘を受けました。
 この本の主張には『キャリアショック』と近いものがあるように思います。

 この本は、仕事に行き詰まりを感じている主人公が、大雪で足止めされた
空港で一人の老人との偶然の出会いを通じて、自己変革を成し遂げるきっか
けをつかむ物語です。
 この本の中で老人は主人公に対して以下のようなアドバイスをします。

  「人生は進化だ。そして進化の素晴らしいところは、最終的にどこに行
   き着くか、まったくわからないところなんだよ」
  「成功する人たちはね、自分がどこに向かっているかということはわか
   っていない-ただ、遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守ろう
   と思っている。」

 この老人は、多くの成功者が計画的に人生を管理したのではないこと、た
だ単に目の前の問題解決に集中し、その時に起きた偶然を見落とさなかった
だけであることを説明します。

 『キャリアショック』と『仕事は楽しいかね?』の二冊は、ITプロフェ
ッショナルがキャリア形成を進める上で、非常に参考になると思います。是
非、ご一読を!


『キャリアショック-どうすればアナタは自分でキャリアを切り開けるのか?』
キャリアショック-どうすればアナタは自分でキャリアを切り開けるのか?


『仕事は楽しいかね?』
仕事は楽しいかね?


●私自身のキャリア形成

 考えてみれば、私のこれまでにキャリアも大半が偶然の積み重ねでした。
 いかに、いきあたりばったりでキャリアを形成してきたかを参考までに紹
介します。

 私は、高校生の頃からジャーナリストになることを目標にしていました。
 大学4年生になってからは、放送局や出版社を中心にかなり熱心な就職活
動を行ないましたが、結果は惨敗。
 すると不思議なもので、長い間抱いていたジャーナリストへの思いが、ま
るで憑き物が落ちたかのように無くなってしまいました。
 人生の目標が突然なくなり、さてどうしようかと思っている時に、就職活
動を通じて知り合った広告代理店の社長さんからベンチャー企業に就職して
はどうかと勧められました。

 当時は、「ソード」や「コスモエイティ」などの企業が全盛で、第二次ベ
ンチャー・ブームの後半期でした。その社長さんはこれからの若者は大企業
ではなくベンチャー企業に就職すべきであると熱く語られました。
 すっかり洗脳されてしまった私は、ちょうどタイミング良く開催されてい
た某大手VC(ベンチャーキャピタル)主催の企業説明会に参加したのです。
その説明会はそのVCが自社の出資企業を集めた合同説明会でした。

 そこで出会ったのが現在の勤務先の代表でした。私の勤務先は、ソフト会
社としては、その大手VCが出資した第一号の企業でした。
 当時、私の勤務先はその代表が一人で営業をしているような小さな会社で、
従業員は大半が技術者でした。代表に「君は営業に向いているような気がす
る。私の鞄持ちをしてみないか。」と言われました。起業家の鞄持ちはきっ
と面白いに違いないと思い、世間知らずの私は深い考えも無くあっさりと入
社承諾してしまいました。
 ジャーナリスト志望で文系の私は、システム開発やプログラミングの経験
や知識は皆無でした。ひょっとすると「SE」という職種が世の中に存在す
ることすら知らなかったかもしれません。

 営業担当として入社したつもりの私ですが、入社してからは同期といっし
ょに技術研修を受けました。最初は、営業担当者も技術を知らなくてはいけ
ないんだろうと違和感もなく研修を受けていましたが、そのうち何か変だな
ぁと思うようになりました。
 ちょうど私の入社と時期を同じくして、営業マネジャーが中途入社してき
ました。その方が新入社員研修の講師を担当されたおりに、自分は営業担当
として採用されたはずであることを話しました。
 その営業マネジャー曰く、そんな話は初耳だということでしたので、驚い
た私は代表に確認しました。
 結局、当社の代表が入社前に私に言ったことはその場の思いつきで、おま
けに代表はそんな話をしたことすらすっかり忘れていのでした。(私の勤務
先の代表は、理屈よりも思いつきと勘で行動する人です。しかし、他の同期
のように技術職として採用されていれば、私はおそらく入社していなかった
と思いますので、何らかの縁があったのでしょう。)

 結局、営業マネジャーを雇ったばかりで、新米の営業担当者は当分の間必
要ないという結論になり、私はプログラマーとしての道を歩むことになった
のです。基本的に軽いノリで入社していますし、研修を通じてプログラミン
グがすっかり面白くなっていた私は、「まぁそういうこともあるさ」と気分
を新にしました。

 そして、ちょうど立ち上がったばかりの大手食品メーカーの戦略的物流シ
ステム開発プロジェクトに配属されたのでした。

 このプロジェクトは我々の業界にありがちな下請けではなく、勤務先がそ
の食品メーカーから直接受注したものでした。このプロジェクトは、その食
品メーカーの社運を賭けた大プロジェクトでしたが、それを請負契約で受注
した当社にとっても社運を賭けた大仕事でした。
 そのため、顧客の情報システム部門や勤務先からもエース級のSEが投入
されました。
 優秀な先輩達の下で仕事ができた私は、本当にラッキーだったと思います。
 このプロジェクトではマネジメントの基本がきっちりと行なわれていまし
た。このプロジェクトに配属されたことは今の私にとって大きな財産になっ
ていると思います。

 その後、このプロジェクトの大半の開発が完了し、運用準備フェーズに入
ったところで、私はこの大手食品メーカーの情報システム部門で立ち上がっ
た別のプロジェクトに配属され客先での常駐作業に従事しました。

 客先常駐プログラマーとしての日々を送っていたある日のこと、ぶらりと
訪れた営業マネジャーから飲みに誘われ、営業をやってみる気はないかと打
診されました。
 私の勤務先も事業が急速に拡大しつつある時で、そろそろ営業担当者の数
が足りなくなってきたのでした。経営者や私の上長に異動を依頼したところ、
まず私の意向を確認しろと言うことになったようです。

 当時、プログラマーとしての仕事は充実しており、このままSEになるの
も良いなと思っていました。ただ、好奇心が旺盛でいろんな人と接するのが
好きな私は、いつかは元々の志望である営業もやってみたいと思っていまし
たので、その考えを伝えました。
 私の異動を巡っては、時期も含め、会社の上層部で意見が分かれたようで
すが、できるだけ早い方が良いとの結論に至り、私のキャリアは大きく振ら
れることになります。

 私が営業に職種転換するのとほぼ同時期に、当社ではCG技術を売り物に
した技術計算系システムの請負開発専門のチームを立ち上げました。UNI
Xマシンや最新のグラフィックディスプレイ等に多額の設備投資をした当社
としては戦略的な事業でした。
 そしてそのチームリーダーから専任の営業担当者が欲しいという強い要望
があり、私はそのチームの営業として配属されました。
 ここで私は、会社やプロジェクトチームを代表して顧客や協力会社との折
衝や調整を担当しました。営業と言っても、単に仕事を取ってくるだけでな
く受注したプロジェクトの面倒を最後までみるのが私の役割でした。
 私のキャリアの中では、この営業プロジェクトマネジメントが最も長く、
現在の私のスキルやコンピテンシー習得の場になっていることは間違いあり
ません。

 もし、私が営業になるタイミングが少しでも遅ければ、このチームの専任
営業にはなっていなかったと思います。
(その後、私は、自社開発パッケージの営業や新規事業開発、経営企画等の
仕事を経て現在に至っています。)


 こうして振り返ってみると、私のキャリアのほとんどが偶然で形成されて
いるのが良くわかります。
 ただ、私は単に流れに身を任せるのではなく、目の前の課題に集中しなが
ら、常に自分のやりたい仕事を膨らませてきたと思います。
 また、直接的な利害関係のない人々ともコミュニケーションをとったり、
機会があれば積極的に自分の考えを述べる等の布石を打っていました。
 意識はしていませんでしたが、偶然をつかむ工夫をしていたのだと思いま
す。

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■「自分戦略」へのヒント

 ・キャリア形成の大半は「偶然」に支配されることを理解する。

 ・キャリアを形成するには、偶然を仕掛ける工夫が重要である。

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▼閑話休題▼

 先日、SCOの麻生社長のお話を少人数で聞く機会がありました。
 UNIXの知的財産権をめぐる争いで、すっかりと評判を落としてしまっ
たSCO社ですが、物事は視点が変われば随分と見え方が違ってくるものだ
なぁと実感した次第です。

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中国オフショア開発の勘所

 アイコーチ社の幸地司氏から「中国オフシェア開発の勘所」というテーマでお話を伺いました。

 先達のお話はやはり聞いてみるものですね。
 本当に勉強になりました。

 一般論として中国オフシェア開発の難しさは理解していましたが、具体的なエピソードを聞くと、こりゃぁ本当に手間がかかるなぁと感じた次第です。

 しかし、中国オフショア開発を通じて日本側の開発プロセスもかなりレベルUPする印象を受けました。

 また、チームプレーの強さや曖昧さや不確実性を残したままでシステム構築できる日本人の「強み」も実感しました。

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中国企業との契約交渉

 先日、中国系ソフト会社とシステム開発案件の契約交渉を行ないました。
 私の方が発注側で、先方が受注側です。

 15時に話し合いをスタートとして、契約条件が合意できたのは23時過ぎでした。
 途中、何度か決裂しそうになりましたが、何とか決着をつけることができました。

 中国系企業を相手に交渉を行なったのは、今回が初めてですが、やはり日本人相手の交渉とは勝手が違います。
 非常に論理的で、YESとNOがはっきりとしています。押してくるところと引くところが明確でメリハリがあります。
 そして何よりも日本人と違うのは、その粘り強さです。まさに「ターミネーター」のようです。

 タフな交渉でしたが相手にとって不足はなく、久々に楽しむことができたように思います。

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母親役としてのラインマネジャー

 本日、同業(情報サービス業)の人材開発部門責任者の会合がありました。
 テーマは「メンタルヘルス」についてで、産業カウンセラーの方からレクチャーを受けました。
 最近は、各社とも「うつ病」や「睡眠障害」の社員が増えており、どう対応して良いか悩んでいるようです。

 今回のレクチャーで感じたことは、ラインマネジャーの役割が重要になっているなぁということです。

 ライン型組織の限界が指摘されプロジェクトが重視される昨今ですが、そんな時代だからこそラインマネジャーには従来と違った役割が要求されつつあるのかもしれません。
 プロジェクトマネジャーが父親役なら、ラインマネジャーは母親役、そんな感じを抱いた今日のレクチャーでした。

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プロジェクトマネジャー対プロジェクトマネージャ

 先日、JPMF(日本プロジェクトマネジメント・フォーラム)で打ち合わせをしている時に、エンジニアリング企業の方から以下のような話がありました。

 IT系の人は「プロジェクトマネージャ」と表記する人が多いが、それは明らかに間違い。「プロジェクトマネジャー」とするのが正しい。 

 言われてみれば確かにその通りですね。PMBOKも「プロジェクト・マネジャー」としています。
 情報処理技術者試験が「プロジェクトマネージャ」としていることもあって、私も今まで何の疑問もなく「プロジェクトマネージャ」と書いていました。
(確認していませんが、メルマガでも「プロジェクトマネージャ」と書いていると思います。)

 これは、さっそく改めようと思った次第です。
 情報処理技術者試験も、早いところ改めた方が良いと思います。

 ところで、米国のプロジェクトマネジメント業界では「PMS」という三文字略語を使わないという話も出ました。
 理由を知りたい方は、辞書を引いてみて下さい。

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上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
 [No.035]「いきあたりばったり」で行こう!

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□■■  上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
■■□  [No.035]「いきあたりばったり」で行こう!
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▼上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン バックナンバー
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●読者からのご質問

 読者の方から、「No.032 SE本に惑わされるな!」に対して質問を頂
きました。

 まず、ご質問を頂いたメルマガの一部を掲載します。

 |●「自分戦略」に関する読者からのお悩み
 |
 | 「自分戦略」に関する質問で、読者の方から時々頂くのは、「真の
 |価値観や強みが見つけられず、うまく戦略策定できないが、どうすれ
 |ばよいか?」というものです。
 |
 | これらの質問をしてくる方々は、「自分戦略」を「公式計画・統制
 |型」のイメージで捉えているのではないかと思われます。
 |
 | おそらく「戦略」という言葉に、自分の置かれた環境の変化をしっ
 |かりと分析し、その分析に基づいて自分の進むべき道を決定するとい
 |うイメージがあるのかもしれません。
 |
 | そこには正しく分析をすることによって正解(完璧な戦略)が生み
 |出される。そしてその正解を実行することが「自分戦略」なのだとい
 |う意識があるように感じます。
 |
 | 従って、正解を生み出すためには、「真の価値観」や「強み」にも
 |正解を発見しなければならないという強迫観念があるのでしょう。
 |
 | はっきりと言いますが、少なくともSEの「自分戦略」に関しては、
 |この考えは間違っています。もし、「自分戦略」に上記のようなイメ
 |ージを持っているなら、それは改める必要があります。
 | なぜなら、SEの「自分戦略」は「仮説・検証型」だからです。
 |
 | SEの「自分戦略」は、仮説(計画)と検証(実行)の繰り返しで
 |す。
 | 机上で演繹的・短期的に生み出すのではなく、日々の活動や発想の
 |中から帰納的・長期的に生み出し、フィードバックを受けることで
 |「進化」させるものなのです。
 |
 | 「進化」ですから、時には偶然が大きく影響します。
 | 偶然は誰にも予想することはできません。自分の人生に思ってもみ
 |なかった展開が訪れます。
 | 「自分戦略」に正解(完璧な戦略)は必要ないことを理解して下さ
 |い。

 上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン」
  [No.032]SE本に惑わされるな!(2004/01/12) より抜粋

 頂いたご質問の内容を要約すると以下の通りです。

   SEの「自分戦略」が「仮説・検証型」と言われると、何となく
  もっともらしいのですが、よくよく考えてみると一貫性のない「い
  きあたりばったり」のような気がします。
   それに、「偶然」を前提にした「戦略」にも違和感を覚えるので
  すが、いかがでしょうか。


●「いきあたりばったり」こそ強み

 企業経営やプロジェクトマネジメントにおいて、「いきあたりばったり」
は、戦略なきマネジメントの代名詞みたいなもので、諸悪の根源のように
言われています。

 しかし本当に「いきあたりばったり」は悪いのでしょうか。

 今の世の中、これから起きることを正確に読める人はいないと思います。

 成功者の中には、あたかも自分は先の先まで読んで行動したようなこと
を言う人がいますが、後付の結果論にすぎないと思います。(流れを自分
で作ってしまった人はいると思いますが。)

 このような時代にあって、いくら頭の中で素晴らしい計画を作成しても、
その通りに物事を進めることは不可能です。
 「計画は達成されなければならない」という固定観念にはまってしまっ
て、現状にまったくマッチしない行動をとってしまうのがオチです。

 そもそも日本人は、「いきあたりばったり」が得意な人種のように思い
ます。
 「いきあたりばったり」は、日本人のDNAなのかもしれません。

 そして、トップダウン型でなくボトムアップ型のアプローチを身上とす
るSEの「自分戦略」にとっても「いきあたりばったり」は適していると
思います。

 ただし、留意して欲しいのは、私が主張しているのは、単なる「いきあ
たりばったり」ではありません。
 「自分戦略」としての「いきあたりばったり」は、能動的に「いきあた
りばったり」を行なうという点で、単なる「いきあたりばったり」とは異
なっているのです。

●「明日生まれる卵はいくつ?」

 つい先日、上記の私の考えに近い主張の本に出会い、とても心強く感じ
ました。

 それは、ベリングポイント社の増川稔浩さんが書かれた「明日生まれる
卵はいくつ?」です。


「明日生まれる卵はいくつ?―走りながら考える新経営戦略」
明日生まれる卵はいくつ?―走りながら考える新経営戦略

 この本はアメリカのサウスカロライナ州で酪農を営むヒルズ一家のスト
ーリーを通じて、走りながら考える新経営戦略手法である「ローリング・
フォーキャスト」を解説したものです。

 この中で増川さんは、以下のような主張をされています。

   計画は大事だけど、計画に縛られちゃいけない。
   「あるべき姿」は石にかじりついても実現しなければならないも
  のではなくて、環境が変われば変わるもの。

   計画は死んでも守らなければならないという時代は終わった。
   明日起こることは誰にもわからない。
   計画を守ることより、どれだけ柔軟に計画を変えられるかという
  視点で企業や経営者は評価されるべき。

   我々は今まで中小事業主の「いきあたりばったり」の経営よりも、
  大企業の「計画ベース」の経営の方が優れていると無条件に信じて
  きた。しかしこれは日本が成長する段階にだけに成り立つ一時的な
  ものだった。

 この本は、能動的「いきあたりばったり」のポイントを非常にわかりや
すく説明してあります。興味のある方は是非お読みください。


【余談ですが】
 システム開発プロジェクトの難しいところは曖昧な部分を残したまま、
走りながら徐々に契約や仕様を固めていくところにあります。
 システム開発は、レンガを積み重ねてコンクリートで固めていく塀作り
ではなく、粘土で創作する芸術作品のようなものです。
 不確実性を一切排除したシステム開発プロジェクトから良い成果が生ま
れるとは思えません。

 特に、契約確定フェーズや要件定義フェーズにおいては、「いきあたり
ばったり」をマネジメントしていくことで成功への道筋が開けるのだと思
います。


●「偶然」が生み出す進化

 机上や頭の中で考えた計画が、狙い通りの成果を生み出したことは、い
ったいどれくらいあるでしょうか。

 少なくとも私には、あまり記憶がありません。

 大きな成果やチャンスは、よくよく考えてみると「偶然」がもたらして
いることが多いと思います。

 増川さんの本の中でも、ヒルズ牧場を大きな成功に導くのは、ある「偶
然」がきっかけになっています。
 多くの読者は、しょせん作り話だから、うまく事が運んだと主われかも
知れません。
 しかし、実際に「いきあたりばったり経営」で成功している企業には、
必ずといっていいほど偶然が作用しているのです。これは「自分戦略」に
でも同様です。
(計画が不要だと言っているのではありません。念のため。)


 私自身のことで言えば、このメルマガは私自身の「自分戦略」における
一つの実行計画として発行されました。
 元々の発行の狙いはありますが、思った通りの成果には必ずしも結びつ
いていません。

 しかし、このメルマガを通じて思いもしなかった成果がありました。

 例えば、現在私は「プロジェクトマネジメントOS本舗」の好川哲人さ
んや「あきらめの壁をぶち破った人々」の中尾英司さんと非常に懇意にし
て頂いていますが、これらのリレーションは、このメルマガがなくては生
まれなかったものです。

 これらは、予想だにしなかった「偶然」の産物なのです。

【参考】

 「プロジェクトマネジメントOS本舗」 好川さんの運営するサイト
 
 「あなたの自律支援.COM」 中尾さんの運営するサイト

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■「自分戦略」へのヒント

 ・「いきあたりばったり」は、必ずしも悪いことではない。
 ・SEの「自分戦略」にとっても「いきあたりばったり」は適している。
 ・能動的に「いきあたりばったり」を行なうのは、単なる「いきあたり
  ばったり」とは異なっている
 ・机上や頭の中で考えた計画が、狙い通りの成果を生み出すことは希で
  ある。
 ・大きな成果やチャンスは、「偶然」がもたらしていることが多い。

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▼閑話休題▼

 先日、近所にある樹林公園の広場を使って、私が所属するボーイスカウ
ト団の全員で旗取りゲームを行ないました。(下は4歳から上は70歳まで。)
 ルールは以下の通りです。

 ・二チーム(一チーム35名)に分かれて旗を取り合う。相手の旗を奪い
  広場中央にいる審判長のところにいち早く到達したチームが勝ち。
 ・陣地を作り旗を置き、攻撃陣と守備陣に分かれる。敵に遭遇するとジ
  ャンケンをし、負けると腕につけた風船を割られる。風船を割られた
  ら広場にいる審判からのクイズに正解しないと戦線に復帰できない。

 我が方はリーダの意向により、各人が勝手きままに攻めるという戦法で
闘いに挑みました。一方敵チームは、チーム編成をして役割や侵攻ルート
をある程度定めて攻めてきました。
 結果は我が方の惨敗。3回戦行なってすべて負けるという悲惨な結果に
終わりました。

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上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
 [No.034]オープンソースでSE魂を磨く

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●実装技術の空洞化

 以前、若手のSE達と懇談していた時に、その中の一人が、こんなこと
を言いました。

 「プロジェクトマネジメントや業務知識の重要性はよくわかります。し
 かし、僕はできるならプロジェクトマネジメントや業務知識ではなく実
 装(プログラミング)で食っていきたいんです。」

 コンピュータやプログラミングが好きでこの業界に入ってきたのですか
ら、彼のこの気持ちは、よくわかります。またSEとして、とても健全な
ことだと思います。

 しかし、このような若手の意見に対して、分別ある大人たちの言うこと
は厳しいものがあります。

 曰く、
  ・若いうちはいいけど、実装だけではそのうち食えなくなるぞ。今の
   うちから管理の勉強をしておけ。

  ・中国やインドの技術者と戦っても勝ち目はないぞ。シリンコンバレ
   ーのエンジニア達の状況を見てみろ。

 最近では、若いうちから実装の経験よりもプロジェクトマネジメントの
経験を積ませようとする企業もあるようです。

 このことの良し悪しは、背景にどんな経営戦略があるかを知らない限り、
簡単には判断できません。
 また、本人が実装よりもプロジェクトマネジメントに面白さを感じるな
ら、もちろんOKです。

 しかし、若手SEに実装を経験させないのは、問題があるような気がし
ます。なぜならSEにとって実装技術は基盤であると思うからです。

 また、いくら技術力が高く安価だからといって、実装の大半を中国のオ
フショア開発に頼ってしまうのは危険のような気がします。

 技術の空洞化を招かないためにも、IT企業は実装に強い人材を育成す
る必要があると思います。そうしないと技術をマネジメントできなくなり
ます。

 実装で勝負したいと思っている個々のSEに関して言えば、会社任せに
せず、実装技術を長期的・継続的に蓄積するような自分戦略を策定し行動
する必要があります。

●オープンソースは恵まれざる者の福音

 自分の強みは実装技術にあり、今後の方向性として実装のプロフェッシ
ョナルを選択するなら、何をすれば良いのでしょうか。

 あくまで個人的な意見ですが、オープンソースに積極的に関わっていく
のが一つの道だと思います。

 ご存知じの通り、オープンソースはソースコードが公開されており誰も
が自由に改変することができるソフトウエアのことです。

 代表的なオープンソースには以下のようなものがあります。
 
  ・Linux     :OS
  ・Apache    :wwwサーバ
  ・Samba     :ファイル共有サーバ
  ・MySQL     :RDB
  ・PostgreSQL:オブジェクト指向RDB
  ・Eclipse   :開発ツール用プラットフォーム

 ■参考文献
 「オープンソース・ソフトウエアの現状と今後の課題について」
 
 オープンソースの素晴らしいところは、誰もが技術を習得できる機会に
恵まれるということです。

 例えば、RDBのことを本や文献を集めて勉強しても、それは知識に過
ぎません。その知識をスキルにするためには、やはり「実物」を触ること
が必要です。

 しかし、商品としてのソフトウエアは高価で、中小のソフト会社や、ま
しては個人では入手することが困難です。
 つまり、大企業に勤務するSEと中小企業に勤務するSEでは技術習得
の機会に大きな格差があったと言えます。

 オープンソースは、その状況を変えてしまいました。
 オープンソースは、雑誌やインターネットから無料で入手することがで
きます。
 そして、偉大な先達が開発したソースに触れることができ、利用したり
手を加えることでスキルを獲得できます。
 実際の仕事で、オープン系の実装技術に携わっていないSEであっても、
意志さえあれば技術を蓄積できるのです。

 オープンソースは、恵まれざる者にとっての福音なのです。

●オープンソースに対する貢献

 オープンソースを本当に自分のものにしたいなら、やはり何らかのオー
プンソース・コミュニティに属するのが良いと思います。

 ただし、オープンソースの世界では、待っているだけでは何も起こりま
せん。
 オープンソースの技術を身につけるためには、汗を流して情報を収集し
自らも情報発信し、積極的に動く必要があります。

 逆にいえば、今まで上司から言われた仕事を、黙々とこなしていた仕事
のスタイルを変革する良い機会にもなるのです。
 また、会社以外のコミュニティに属することで、エンジニアとしての自
分自身を立体的に捉えることができるようになります。

 そして、最も重要なのは、オープンソースから恩恵を受けるだけではな
く、自分もオープンソースに貢献することです。
 扱うオープンソースのライセンスを正しく理解し、ボランティアをいと
わないことが大切です。

 このような活動を長期的・継続的に続けることで、SEとしての魂が磨
かれていくに違いないと、私は信じています。

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■「自分戦略」へのヒント

 ・実装に自分の方向性を見出しているSEは、技術を長期的・継続的に
  蓄積するような自分戦略を策定し行動する必要がある。
 ・そのようなSEにとってオープンソースに関わることは効果的な自分
  戦略になりうる。
 ・オープンソースのコミュニティに属し積極的に活動することで、SE
  としての魂が磨かれる。

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▼閑話休題▼

 「PMシンポジウム2004」企画フェーズの仕事が佳境です。
 最近のアフターファイブは、大半をこのボランティア作業に費やしてい
ます。
 でも、楽しくてやりがいのあるプロジェクトです。
 皆さんのお役に立てるプログラムをお届けしたいと思っています。

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上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
 [No.033]緩やかな生き方としてのSE

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2004/01/28━
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●島に唯一人のSE

 日本経済新聞に「働くということ」という連載記事があります。
 先日までは、「猛烈とスローライフ」という2つの価値観がテーマとし
て取り上げられていました。

 2004年1月21日の紙面には。スローライフの事例としてSEの植田さん
が紹介されました。
 植田さんは、南十字星が見える鹿児島の県与論島にいる唯一人のSEで
す。

 東京の大手通信会社に勤務していた植田さんは、知人の誘いで3年前に
与論島に移住しました。今では、島民の大半が顔見知りだそうです。

 普段は、機器修理や診療所のシステム管理で生計を立てており、一日中
働くこともあれば、2時間で終わることもあるそうです。
 収入は東京時代より30%減ったそうですが、記事からは、非常に充実し
た日々を送っているの様子が感じられました。

●シニア向けパソコン教室

 「シニアSOHO普及サロン・三鷹」というNPOがあります。
 企業を退職したシニアのビジネス参加のプラットフォームとして設立さ
れ、地域に密着したシニア向けのパソコン講習会の開催等、退職したシニ
ア達が起業した地域密着型ビジネスの成功事例として、いろいろなところ
で紹介されています。

「シニアSOHO普及サロン・三鷹」のサイト

 この「シニアSOHO普及サロン・三鷹」が経営するシニア向けパソコ
ン教室の中心人物であるMさんは、私の高校の大先輩にあたる人です。

 Mさんは大手電機メーカーでシステム開発を担当されていたエンジニア
でした。数年前の50代の半ばに早期退職をして、「シニアSOHO普及サ
ロン・三鷹」を立ち上げる市民プロジェクトに参画されました。

 Mさんが会社を辞める時に、「自分が選んだ道は、生涯賃金としては大
幅な減になる。しかし、自分としては生きがいと時間を買ったつもりだ。」
と笑顔で話されていたのが、とても印象に残っています。

●「コミュニティ・ビジネス」

 「シニアSOHO普及サロン・三鷹」のようなビジネスを、「コミュニ
ティ・ビジネス」と呼びます。
 「コミュニティ・ビジネス」とは、住民が主体性を持って地域社会の多
様なニーズや問題解決に取り組み、顔の見える関係の中で営まれる事業の
ことです。

 「コミュニティ・ビジネス」の提唱者である細内信孝さんは、その特徴
を以下のようにまとめています。

  「コミュニティ・ビジネス」の特徴
   ■住民主体の地域密着型ビジネス
   ■必ずしも利益追求を第一としない適正規模、適正利益のビジネス
   ■営利を第一とするビジネスとボランティア活動の中間領域的なビ
    ジネス
   ■グルーバルな視野のもとに、行動はローカルの開放型のビジネス

 上記の特徴にあてはめれば、与論島の植田さんの仕事も「コミュニティ
・ビジネス」として捉えることができると思います。

 「コミュニティ・ビジネス」は、「競争」を前提とした一般のビジネス
のとは異なり、「共生」を前提としたビジネスです。

 ボランティア活動の延長線上にあるため、ビジネスとしては必ずしも成
功事例ばかりではないのですが、着実にその数を増やしています。

 ★「コミュニティ・ビジネス」について詳しく知りたい方には、以下の
  書籍がお薦めです。

「コミュニティ・ビジネス」
コミュニティ・ビジネス

●町のSE

 私の実家は地域密着型の食料品店でした。
 私の父は、新鮮な青果物を低価格で地域の人々に提供することに使命感
を持っており、お年寄りや小さな子供のいる家庭には配達サービスを無料
で行なっていました。

 そのような環境で育った影響があるのかもしれませんが、「地域社会に
対する貢献」は、私の人生におけるテーマの一つです。

 その一貫で、私は「コミュニティ・ビジネス」に対する中間支援活動に
参加しています。
 その活動を通じて実感するのは、今後、地域社会に発生するさまざまな
問題の解決ツールとして、ITが活用される機会が増えてくるということ
です。

 そこには、SEが果たす役割がたくさんあるように思います。

 例えば、以下のようなものです。

  ・お年寄りや障害者のためのパソコンやインターネット指導
  ・子供のための情報化教育
  ・零細企業のためのシステム開発やネットワーク構築
  ・地元商店街のホームページ作成やECサイト運営
  ・町内会や子供会を活性化するためのサイト運営 等

 顔の見える関係の中で仕事をしているSEは、与論島の植田さんのよう
に、利用者の喜びの声や感謝に接する機会に恵まれることでしょう。
 これは、とても幸せです。


 多くの場合、SEの仕事は競争社会の中で営まれます。
 しかし、中には「競争」の中で生きることに息苦しさを感じるSEもい
るのではないかと思います。

 そのような人たちには、地域密着型の「町のSE」という選択肢もある
ように思います。

 競争社会の中で生きるより、収入は少ないかもしれません。
 しかし、顔の見える関係の中で、SEとして地域社会に貢献しながら、
緩やかに生きることができるのです。

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■「自分戦略」へのヒント

 ・これからは、SEが地域社会の中で果たす役割が増えてくる。
 ・SEの仕事は競争社会の中だけに存在するわけではない。
 ・地域密着型の「町のSE」として、身近な人々の生活に貢献しながら、
  緩やかに生きる道を選択することもできる。

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▼閑話休題▼

 先日、ビーバースカウトの子供達と「忍者ごっこ」をしました。
 ロープを立ち木の間に張って渡ったり、折り紙で作った手裏剣を投げて
遊びました。

 でも男の子達にとって一番楽しかったのは、新聞紙の刀で行なったチャ
ンバラ(死語?)のようです。
 集会終了後、大人たちが次回の打ち合わせをしている間もずっとチャン
バラは続いていました。

 TVゲームよりも、もっと楽しい遊びのあることを、今の子供達に教え
る必要があるように思いました。

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