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プロジェクトマネジャーにポータビリティがない理由

 先日、大手SI企業のPMOの方と意見交換する機会があった。
 その企業はプロジェクトマネジメントには力を入れており、PMPの人数も半端な数ではない。
 その方の話の中で印象に残ったのは、プロジェクトマネジャー(以下、PM)にはポータビリティがないということである。

 企業名がわかってしまうので詳細には書けないが、例えば公共システム、産業システム、金融システムの事業部がそれぞれあったとすると、それぞれの事業部で優秀な成果を上げているPMを他の事業部のPMに任命しても大抵失敗するそうだ。
 また規模でも同じことが起きるそうだ。小規模システムのプロジェクトマネジメントは大規模システムでは通用しないというのはよく聞く話だが、その逆もまた同じで大規模システムで成果を上げているPMが小規模システムで失敗することも少なくないそうである。

 これはいった何が起きているのだろうかと帰宅途中の電車の中で考えた。
 詳細にインタビューした訳ではないので間違っているかもしれないが、とりあえず思いついた理由は以下の通りである。(既に成果を上げているPM達なのでプロジェクトマネジメントの知識やスキルはあり、PMOがあるので組織として提供している標準プロセスやテンプレートは同じという前提である。)

(1)ITプロジェクトを成功させるために、PMにはプロジェクトマネジメントの能力だけでは不十分で業務知識やITスキル等の能力が必須である。事業部が変わったことで業務知識やITスキルが使えなくなってしまった。

(2)ITプロジェクトを成功に導く要因としては、顧客やメンバー、協力企業との長年の人間関係(感情知)が大きい。事業部が変わったことで人間関係(感情知)がなくなってしまった。

(3)ITプロジェクトを成功に導く要因としては、暗黙のルールや手順が大きい。事業部が変わったことで暗黙のルールや手順が使えなくなってしまった。

(4)ITプロジェクトを成功に導くにはプロジェクトマネジメントの知識やスキルだけでなくPMコンピテンシーが必要である。ただし、PMコンピテンシーが不十分な場合は、業務知識、ITスキル、人間関係、暗黙のルールや手順でカバーできる。従って、PMコンピテンシーが弱いPMにはポータビリティがなくなる。

 まだまだ、あるかもしれない。
 このブログをお読みの方で、他に何か思いつくことがあったらコメント頂ければ幸いである。

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