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【書評】クエスチョン 答えはその中にある

●書 名 :クエスチョン 答えはその中にある
○著 者 :ジョン・G・ミラー
○出版社 :日本能率協会マネジメントセンター

クエスチョン 答えはその中にある

  「お客はいつになったら仕様を決めてくれるんだ。」
  「こいつら、ちゃんと納期を意識して仕事をしてんのか。」
  「何でこんなにバグが多いんだ。」
  「誰がこんな仕事を取ってきたんだ。」
  「何で俺がこんな目にあわなきゃいけないんだ。」
  「いつになったら、会社は手を打ってくれるんだ。」
 システム開発の現場では、このような質問が蔓延することは珍しいことではない。プロジェクトに関わる全員が被害者モードの場合もある。

 この本では、上記ような否定的な質問のことを「間違ったクエスチョン」と呼んでいる。
 なぜなら、このような問いかけからは、前向きで実りある成果は生まれてこないからである。被害者意識を持つことは、ストレスを高め、ますますその人を不幸に陥れてしまうと、この本の著者は指摘している。

 もちろん、人間だれしも不幸な現実や大きな問題に直面した時は「間違ったクエスチョン」をしてしまう。これは、ごく自然な反応である。これ自体が間違っている訳ではない。
 しかし、このような状況の時こそ、実は何らかの大きな貢献や自分自身を成長させる大きな機会であると著者は主張する。
 そして、このチャンスを与えるきっかけとなるのが、「間違ったクエスチェン」の対極にある「QBQ(正しいクエスチョン)」なのである。
 問題の責任を他人や環境のせいにすることから脱却して、
  「この状況を変えるために自分は何ができるだろうか?」
  「どうすれば私はチームに貢献できるだろうか?」
といった自分の責任を果たせる問いかけがQBQなのである。
 誰かのせいで自分は不幸な目や辛い目にあっていると感じている人や、身近な人に非難の気持ちを持っている人には是非読んで欲しい本である。

 しかし中には、この本の内容に反発を覚える人もいるかもしれない。当事者でないと辛さや苦しさはわからない。当事者になっても、そんなカッコいいことを言えるのかと。
 確かにそれはその通りである。人間は理屈よりも感情が優先する。被害者モードの真っただ中にいる人達の心には、この本のメッセージは屁理屈にしか聞こえないかもしれない。

 それでもやっぱり、僕等には自らを苛む被害者意識から自分自身を解き放つことを選ぶ自由があると思う。
 どうしても他人のことを許せず「間違ったクエスチェン」に留まるのも自分自身の選択である。そして、その気持ちを乗り越えて自分の責任を問う「正しいクエスチェン」をするのも自分自身の選択である。
 何かを選ぶのであれば、それは「正しいクエスチョン」に基づいて欲しいと心から思う。

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