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【書評】ジョイ・オブ・ワーク~組織再生のマネジメント

●書 名 :ジョイ・オブ・ワーク~組織再生のマネジメント
○著 者 :吉田 耕作
○出版社 :日経BP

ジョイ・オブ・ワーク~組織再生のマネジメント

 著者は「品質管理の父」デミング博士の直弟子である吉田耕作氏である。
 デミング博士は、日本の製造業に世界一の競争力をもたらしたと言われる人物である。
 米国は日本の製造業の強みの源泉がデミング哲学とその哲学に基づいたTQMにあることに気がつき積極的に政府活動や企業活動に取り入れたそうである。吉田氏は、日本ではあまり知られていないが、これが米国経済復活に大きな影響を与えてたと述べている。

 吉田氏は、デミング哲学の2本の柱は「従業員の心理の理解」と「個々の人間および部門が全組織とどう関わっていくべきかという理解」であるとしている。「品質管理の父」というと工学的アプローチで数値至上主義のような印象を持つが、この本を読むとデミング博士の思想は、その対極にあることがわかる。
 現場のリーダーだけでなく、経営者の方々にも是非読んで欲しい書籍である。

 この本の中にデミング哲学を表した「デミング14ポイント」が解説されているので、参考までに紹介する。
 この14ポイントを見て頂ければ、デミングの哲学が、「モノ」ではなく「ヒト」中心であること。数値でコントロールするのではなく、リーダーシップでマネジメントしようとしているのが、よくわかる。

●デミング14ポイント

1.競争力をつけ、生存し続け、そして従業員に職を与え続けるために、製品やサービスをつねに向上させる一貫した不動の目的を打ち立てること。

2.新しいものの考え方を採用すること。われわれは新しい経済時代に入った。西洋の経営者は挑戦に目覚め、自己の責任を理解し、変革のリーダーシップをとらなければならない。

3.品質を達成するために、検査に頼ることをやめること。最初の段階で、質を製品に織り込むことにより、大量の検査に頼る必要性を排除すること。

4.価格だけで仕入れを決定する習慣をやめ、その代わり、総コストを最低にすること。それぞれの仕入れ項目については、忠誠と信頼の長期関係にもとづき、仕入先を1社にする方向にもっていくこと。

5.質及び生産性をたえず向上させ、それによりコストをつねに低減するために、生産及びサービスを行うシステムをたえず向上させること。

6.実地訓練制を設けること。

7.リーダーシップを発揮すること。リーダーシップとは人々や機械や装置がよりよい仕事をするのを助けることである。経営のリーダーシップは、製造の作業員の指導同様、解体修理が必要である。

8.全員が会社のために効果的に働けるように恐怖心を取り除くこと。

9.部門間の障壁を取り除くこと。リサーチ、デザイン、販売、製造などにいる人々は一丸となって働き、できあがった製品やサービスに関して起こり得る製造上の問題を予知しなければならない。

10.“無欠点”や“より高い生産性を”、とかいうようなスローガン、激励、目標等は一切止めること。

11a.工場内で数量割り当てをやめること。リーダーシップで置き換えること。

11b.目標による経営をやめること。数字や数値目標による管理をやめること。リーダーシップで置き換えること。

12a.時間給労働者から彼らの仕事に対する誇りを奪うような諸障害を取り除くこと。監督者の責任は数量だけの管理から質の管理に変わらなければならない。

12b.管理職や技術者たちから彼らの仕事に対する誇りを奪うような諸障害を取り除かねばならない。これは、年次評価やメリット評価や目標による管理などの廃止を意味する。

13.積極的な教育及び自己啓発の計画を設定すること。

14.会社の全員をこの変革を成し遂げるために動員すること。変革はすべての人々の仕事である。

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