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情報サービス業における「偽装請負」について

 先週金曜日の話だが、首都圏労働局主催の「情報処理業における 派遣・業務請負適正化セミナー」の案内をJISA(情報サービス産業協会)が会員向けメーリングリストに流したところ、短時間のうちに定員に達するという結果になった。
 このセミナーは、いわゆる「偽装請負」をなくし、情報処理業における契約形態の適性化を啓蒙するものであった。いかにこのテーマに関心が高いかがわかる。

 情報サービス業においては、本来なら労働者派遣法に基づく契約をすべきところを請負契約としているケースが少なくない。
 この原因としては、以下の2つが考えられるのではないだろうか。

1.フリーな労働市場が発達していないためITエンジニアの調達が元請・下請の多段階構造の中で行われる。このシステムにおいては二次派遣を禁止している労働者派遣法は使い勝手が悪い。

2.日本の二者間契約は「甲」と「乙」いう上下関係において締結され、対等な関係とは言い難い。ソフト開発においても、契約上のリスクは「乙」である下請業者が負うことが多い。本来なら請負契約に馴染まない案件も請負契約として締結されることがある。

 この「偽装請負」は日本のソフト開発技術の発展を妨げている要因の一つになっていると思う。
 以下は、「偽装請負」に関するあくまで個人的な意見である。

1.労働市場の発達
 「偽装請負」を無くすには、ITエンジニアのフリーな労働市場を発展させ、フリーランスが企業と直接契約するような業界にする必要がある。
 多くの人材供給会社も上前をはねるビジネスから紹介手数料やマッチングによる成功報酬を得るようなビジネスに転換する必要があるように思う。

2.請負契約はシステム開発に馴染まない
 フェーズや案件の特性にもよるが、基本的にはシステム開発プロジェクトに請負契約は馴染まないのではないかと思う。
 請負契約でシステム開発を契約すると受託側はどうしても仕様を早く凍結しようと思うし、なるべくリスクを避けようとする。この場合、プロジェクト内が協力的スタンスではなく交渉的スタンスになりがちである。(従来のウォーター・フォール型の開発ならまだしも、昨今のアジャイル型の開発には、まったく適さない。)
 状況にもよるが、システム開発プロジェクトは当面の効率よりも最終的な効果を重要視する必要があると思う。

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