上司に恵まれないSEのために
[No.041]「NOと言えないSE」と顧客満足(2004/09/13)
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□■■ 上司に恵まれないSEのために
■■□ [No.041]「NOと言えないSE」と顧客満足(2004/09/13)
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▼上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン バックナンバー
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●「NOと言えないSE」
先日、ある大手SI企業の経営者がパネルディスカッションの中で、「N
Oと言えないSE」という言葉を使いました。
この企業は、大きな失敗プロジェクトが発生して直近の決算で赤字を出し
てしまいました。失敗プロジェクト発生の原因の一つとして、その経営者は
「NOと言えないSE」と言う言葉を上げたのです。
失敗プロジェクト発生の原因は複雑にからんでおり、単純ではありません。
単独のプロジェクトとしてだけでなく、経営や組織という大きなシステムの
問題として捉える必要があります。
ただ、私の経験から言っても、「NOと言えないSE」が、失敗の原因の
一つになることは少なくありません。
具体的には、以下のようなケースです。
顧客が思いつきで言った仕様変更を安易受け入れ、結果的にはプロジェ
クトの目的に合わないシステムになってしまった。
請負に馴染まない案件を、顧客の強い圧力に負けて一括請負契約で受注
し、大幅な納期遅延とコスト超過を起してしまった。
SIプロジェクトの場合、お客さんの言うことを安易に引き受けて、結果
的にはお客さんに損失を与えてしまうケースは少なくありません。
お客さんの言いなりに仕事をすることは、最終的に「顧客満足」にならな
いことがあるのです。
何でもかんでも顧客の言いなりになってしまうSEは、実のところ「顧客
満足」を実現しようとしているのではなく。ただ単に、顧客と摩擦を起こさ
ず、その場を切り抜けたいという行動様式があるのではないかと思います。
適切な「NO」が言えることは、プロジェクトを成功させる上で、とても
重要なことです。
かといって、何でもかんでも「NO」と言えば良い訳ではありません。
我々はお客さんからお仕事を頂いています。従って、常にお客さんの立場
に立ってお客さんのお役に立てるようにしなければなりません。
「YES」と言うにしろ「NO」と言うにしろ、それがプロジェクトの目
的に沿っており、最終的な「顧客満足」につながるかどうかを吟味する必要
があります。
●SI業界における「顧客満足」
「顧客満足」はSI業界においても多くの企業が掲げています。
しかし、「顧客満足」を心から実践している企業は少ないように思います。
経営者やマネジャーも「顧客満足」を、よく口に出します。しかし、その
思想はSIの現場に十分に体にしみ込んでいないように思います。
なぜ現場に浸透しないかと言えば、経営者やマネジャー自身が「顧客満足」
を口にしながら、実は頭の中だけで理解していて体現していなからだと思い
ます。
先日、好川哲人さんがメルマガの中で、売り手市場であったSI業界にお
いては、顧客主義を頭ではわかっていても、なかなか実現できないというこ
とを書かれていましたが、まさしくご指摘の通りだと思います。
これは「顧客満足」を口にしている当人も気がついていないことがあるの
で、やっかいです。(私自身も、常に胸に手をあてて考えてみる必要がある
と思っています。)
●二人の営業担当者
ある情報サービス業に勤務する二人の営業担当者の話しです。(仮にAさ
んとBさんとします。)
彼らは、別の上司の下でSIのセールスを担当しています。
Aさんの上司もBさんの上司も、常日頃から「顧客満足」を口にしていま
す。
もし、お客様から自社の能力を越える案件の引合いを頂いた時には、どう
対応するかについて、それぞれの上司は以下のような指導をしていました。
[Aさんの上司]
もし、自社の能力を越える引合いをもらった時には、売上獲得等の短期
的な利益を求めて安易にできると言ってはいけない。無理な受注は結果的
にお客さんに多大な迷惑をかけるし、プロジェクトチームに大きな負荷を
かけてしまう。
しかし、簡単に「できません」と断ってはいけない。
話しをよく聞き、質問をして、お客さんの真の目的やニーズは何かとい
うことを良く捉えて、自社の能力を使って、そのお客さんに貢献できるよ
うなことはないかを知恵を絞って考え、提案しなさい。その結果、どうし
ても対応不可能であれば、お役に立てなかったことを率直に詫びてお断り
しなさい。
心から、お客さんのために何とかしたいと思って行動すれば、その引き
いに対応できなくとも、けっして顧客満足度が下がることはない。
[Bさんの上司]
もし、自社の能力を越える引合いをもらった時には、安易にできると言
ってはいけない。無謀な受注は結果的に大きな損失を招くことになるから
だ。
しかし、簡単に「できません」と断ってはいけない。顧客満足度が下が
って、次から仕事がもらえなくなる可能性がある。
納期は延ばせないか料金は上乗せできないか等、さまざまな対案を示し
て、お客さんの方から断るようにしむけることが大切だ。
そうすれば、お客さんの方に精神的な借りができることになるので、次
回の機会にもまた声をかけてもらえる。
AさんとBさんは、上司の指導に沿って行動しました。二人がそれぞれの
顧客に示した提案の内容は、ほぼ同じようなものでした。結果的にお客さん
と契約条件や仕事の内容で折り合いがつかず、この案件を受注することはで
きませんでした。
その後、Aさんは顧客から信頼の厚い営業として顧客から厚い信頼を得て
います。一方、Bさんは、「あの営業は、どこか裏がありそうで信用できな
い」と顧客からの評判はよくありません。
この二人の営業担当者には「顧客満足」において違いが生まれました。
この違いは、どうして発生したのでしょうか。
この二人の営業担当者の行動は表面的には同じように見えます。しかし、
決定的に違うのは、その「動機」です。
Aさんの方は、顧客の利益を第一に考えていますが、Bさんの方は自社の
利益を優先しています。
表面的に同じような行動をしていても「動機」がことなれば、ちょっとし
た言動にその違いがあらわれます。お客さんは、その違いを肌で感じていま
す。
適切な「NO」が言えることはとても大事なことです。しかし、もっとも
重要なのは、その「動機」が何かということなのだと思います。
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