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修羅場

 現在、ピンチプロジェクトの支援(火消し)を行っています。
 現時点での投入人員が50名を超えるオフショア開発の案件です。

 先日、好川哲人さんにお会いした際に、修羅場の真っ最中であること告げたら、即座に「いい経験していますねぇ」とニッコリ。

 実は自分でも「いい経験」をさせてもらっているなぁ思っていたのですが、好川さんにそう言われると、「やっぱりそうなんだ」と再確認できました。

 修羅場というのは大変ですが、楽しくもあります。
 湧き上がってくる闘争心に胸が躍ります。

 好川さん曰く、
「プロジェクトマネージャーにむくかどうかは修羅場に入れてみればわかる。修羅場で闘争心を失わない人間、逃げない人間はプロジェクトマネージャーの適性がある。」とのこと。

 同感です。

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年輩者から学ぶ

 昨日、株式会社ヌールエの筒井社長にお会いしました。
 株式会社ヌールエは、「動物環境会議」「BALL文庫」等のユニークな活動をしているデザイン会社です。

 昨日は「BALL文庫」に関してのお話をうかがいました。
 目白という狭いエリアに絞り、そこに生きている個性的な年輩者の魅力を伝えようとする試みに、何ともいえぬ暖かさと共感を感じました。

 筒井社長お話の中で、特に印象深かったのは「若者は同世代だけでつるまず年輩者と接するべきだ」という主張です。まったく同感です。

 我々は世代の壁をつくりがちで、世代を超えた付き合いをなかなかしません。
 確かに世代の壁を越えるのは簡単ではありません。
 表面的に付き合っていると、儀礼的な関係で堅苦しいだけの間柄で終わってしまいます。
 しかし、何かの機会に年輩者の生き様に接することができれば、彼等から学ぶものはたくさんあるのです。

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上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
[No.039]「強気のスケジュール」が不幸を招く(2004/06/06)

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□■■  上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
■■□  [No.039]「強気のスケジュール」が不幸を招く(2004/06/06)
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▼上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン バックナンバー
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●X社からの引き合い

 随分と前の話ですが、あるお客さん(仮にX社と呼びます)から引き合い
を頂きました。
 X社は某大手企業の情報システム部門が独立した会社で、引き合いを頂い
たA課長は親会社からの出向者でした。

 A課長から提示された納期は4ヵ月後。
 ヒアリング後、さっそく見積りに取り掛かりました。

 しかし、持ち帰った資料には曖昧な点や矛盾してる点が多々ありました。
 不明な点はX社のSEに質問をしましたが、どうしてもクリアにならない
点がいくつか残りました。

 結局、現時点では指定された納期を約束するのは不可能であるという結論
に達しました。(スケジュールリスクがマネジメントできるレベルではない
と判断しました。)
 私達としては納期延長のお願いをするほかはなく、見積書と見積仕様書を
A課長に提出しました。

 私達の説明の最中、A課長は苦虫を噛み潰したような顔をされていました。
 そして説明終了後、「顧客の提示したスケジュールを延長して提案してく
るとはベンダーにあるまじき行為である」とお叱りの言葉を頂きました。

 A課長曰く、「自分は、顧客からの引き合いは、どんなに無理と思っても
絶対に断らない。そんなことをしたら仕事は二度ともらえなくなる。実現不
可能なスケジュールでも引き受けるのが受注者の態度である。」とのことで
した。

 しかし私達としては実現不可能な条件を受け入れることはできず、叱責さ
れながらも粘り強く交渉しました。

 結局は、受託範囲を大幅に削減して頂き、リスクはあるものの何とかマネ
ジメントできるレベルにまでには持ち込むことができました。

 私達が受託しなかった部分については別の協力会社であるY社が受託し、
このプロジェクトはスタートしました。


●デスマーチ・プロジェクト

 さて、このプロジェクトは、いったいどうなったでしょうか。

 私達の担当分は、いくつかの問題が発生しましたが、何とか納期に納める
ことができました。
(ただし、メンバーに残業や休日出勤が発生したことと、納品後に一部のプ
ログラムに品質問題が発生したため採算的には厳しい結果になりました。)

 一方、我々に代わって大半の部分を引き受けたY社は大幅な納期遅延を起
こしてしまいました。
 納期遅延後に追加料金は得たようですが、おそらく大きな赤字を出したも
のと思われます。
 またY社メンバーは毎日のように遅くまで残業しており疲弊している様子
でした。プロジェクト終了後に退職したメンバーもあったようです。

 Y社にとっては、いわゆる「デスマーチ・プロジェクト」になりました。

 Y社は「強気スケジュール」を実現しようとして人をかき集め短期間に要
員を投入しました。
 まったく余裕のない体制とスケジュールは結果的に品質の悪化を招き、そ
の改修に多大な時間と労力が費やされました。
 また、ゆとりのないY社プロジェクトマネジャーの対応は柔軟性を欠き、
顧客の不満がつのりました。そして、それが合意形成の上でも大きな障害に
なったのです。

 当然のことながら、このプロジェクトでは誰も得をしていません。

 このプロジェクトでは、提示された納期の重要性は薄かったように感じて
います。
 顧客やトップから与えられた「強気のスケジュール」を部下や協力会社に
丸投げしたり、リスク分析をすることなく安易な約束をするという思考停止
状態でプロジェクトが進んでしまったことが、皆を不幸にしました。


●急がば回れ

 「急がば回れ」という言葉がありますが、システム開発プロジェクトに関
しては、「余裕のあるスケジュール」の方が、「強気のスケジュール」より
も結果的にスケジュールが短くなることがあります。

 「たられば」は禁物ですが、もしA課長が私達の提案を受け入れて、余裕
のあるスケジュールを承認して頂ければ、このような不幸なプロジェクトに
ならなかったのではないかと思っています。
 結果論になってしまいますが、納期もコストも品質も、「強気のスケジュー
ル」が原因で悪化したように思います。

 私達の周りには「強気のスケジュール」が、たくさん存在します。
 「プロジェクトの真の目的は何か?」という観点で見直した時、挑戦に値
する「強気のスケジュール」は果たしていくつあるのでしょうか。

【念のための補足】

 「強気のスケジュール」が単なる目標ではなく、プロジェクトの目的とし
て重要性を持つ場合があります。
 このような場合、リスクマネジメントを行ないながら「強気のスケジュー
ル」に挑戦することは意義のあることです。(ただし、困難ではあるが実現
可能なスケジュールに限ります。)


●何故、「無意味な強気のスケジュール」が生まれるのか

 プロジェクトの真の目的に沿っていない「無意味な強気のスケジュール」
が何故存在してしまうのでしょうか。

 原因としては以下のことが考えられます。

 ・アナリストの評価を最優先する経営者のスタンス。
 ・コスト削減やスピードUPに関する組織全体へのプレッシャー。
 ・プロジェクトの目的がステークホルダー間で共有されていない。
 ・トップダウンの目標設定に対してボトムアップ(ミドルアップ)のフィ
  ードバックがない。
 ・マネジメント層が意思決定しない。(現場へのまる投げ)
 ・不適切な成果主義、特に目標管理制度の弊害。
 ・間違った顧客志向。
 ・ベンダーの安易な受注。
 ・リスクマネジメントが行われていない。

 皆さんの勤務先ではいかがでしょうか。


●「強気のスケジュール」は競争力を低下させる

 最近は睡眠障害を訴えたり、鬱病になるITエンジニアが増えています。

 また、現場からは若手を育成する余裕がないという声が上がっており、若
手のキャリア形成に支障が発生しています。

 あくまで個人的意見ですが、この原因の一つには「強気のスケジュール」
があると私は考えています。
 プロジェクトの目的に沿っておらず、コスト削減やスピードUPという目
標が目的化した「無意味な強気のスケジュール」は、多くの不幸なSEを生
み出しています。企業の礎である人材を破壊し、成長を妨げているのです。

 コスト削減とスピードUP。
 確かにこの二つは競争力向上の目標には違いありません。
 しかし、それはあくまで結果指標に過ぎないと思います。

 組織の競争力は、個人のレベルUPや組織力の向上によってもたらされ、
それが結果的にコスト削減やスピードUPに繋がっていくのだと思います。

 長期的には、余裕のない組織に人は育ちません。
 つまり真の競争力は生まれないのです。


●「強気のスケジュール」と戦う意志

 とは言え、現在の情報サービス産業を取り巻く情勢からは、「強気のスケ
ジュール」が増えることはあっても減ることはないでしょう。

 しかし、意味のない「強気スケジュール」と戦っていかなかれば、業界全
体を覆うこの悪習は改革できません。

 そして、この改革は現場に関わる人達がボトムアップ(ミドルアップ)で
起こしていく他はないと思います。

 「強きのスケジュール」に対しては、ボトムアップ(ミドルアップ)によ
るフィードバックが大切です。
 場合によっては経営のレベルまで遡って、「強気のスケジュール」の意義
を確認し、もし本当に意味のあることなら、その目的をステークホルダー全
員で共有することが大切です。

 この闘いは長期戦になるかもしれませんが、あきらめてはなりません。
 地道な努力は、いつの日にか実を結びます。

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▼閑話休題▼

 現在、ピンチプロジェクトの支援をしています。
(その関係で、メルマガの発行やブログの投稿に支障が出ております。申し
訳ありません。)
 プロジェクトマネジャーを後方や側面から支援しているうちに、気がつい
たら最前線に出てしまいました。久々の現場です。

 お客さんや協力会社、プロジェクトメンバーとやり取りしていると、突然、
体の中でスイッチが入るのを感じました。(血がたぎり、闘志がフツフツと
沸きあがってきました。)

 やはり私は現場が好きなようです。

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夢と地道

 2004.5.31の「日経ビジネス」に、野中郁次郎教授、坂村健教授、ノーベル賞の田中耕一氏の対談が掲載されています。
 この中で、田中さんのコメントが大変印象に残りましたので紹介します。

 私自身も夢を追うところはあります。  でも、実際にやっているのは地道な作業ばかりなんです。どうすれば現行製品の性能が5割アップできるだろうか、とか。ざっくりと2割が夢、8割が地道という感じでしょうか。 (中略)  地道に積み上げる作業をしているうちに、いつに間にかものすごいレベルに達していたいうのは、自分自身の経験でもあるんです。

 ある大学で講演した時、学生に「田中先生は大学生の時にどんな夢を持っていましたかと」質問されたんです。思わず「夢ってあったかなぁ」と(苦笑)。彼らにとっては「まず夢を持たねばならない」という脅迫観念があるようです。でも、それは何かをやっているうちに、結果として出てきてもいいのではないでしょうか。初めに夢ありき、というのも必要だけれども、私自身、夢を持っている時もいない時もあります。少なくとも人に言われて夢を持つものではないでしょう。


 この田中さんのコメントはキャリア形成を考える上で、示唆に溢れていると感じました。
 「夢」があるのは、とても素晴らしいことですね。
 しかし、たった今「夢」がなくても、それほど気にすることはないと思います。
 いろいろな方の話を聞くと、目の前の課題に一生懸命取り組んでいるうちに、突然「夢」が手に入るというのは珍しくなさそうです。

 ただ、問題なのは、目の前を通り過ぎていく「夢」に気がつかない人が多いということだと思います。

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素人同士

 先日ある会合で、エンジニアリング系のベテランPMに以下のようなことを言われました。

 プラント建設プロジェクトとITプロジェクトが異なる点はいくつかあるが、最も違っているのはお客さんだと思う。
 プラント建設は、お客さんもプロである。従って、プロジェクトはプロ同士が進めるため、常にWin-Winを心がける。

 しかし話を聞いていると、ITプロジェクトのお客さんは素人が多いようだ。
 さらにITプロジェクトはベンダーも素人である場合が少なくないのではないか。
 素人同士が仕事を進めて上手くいくわけがない。

 う~ん、悔しいけど、核心をつかれた感じです。

#最近、ピンチプロジェクトの支援を行なっています。
 その関係で、ブログへの投稿ができていません。ゴメンナサイ。

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