« 学生さんからの提言 | Main | 上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
[No.037]反省する力(2004/04/28) »

請負契約の弊害

 私の友人が勤務する某大手SIer(A社)の話です。

 A社は現在、大規模システム開発の要件定義フェーズを進めています。
 A社は、原価低減を第一の目的として、外注企業に対する契約を、SES(準委任契約)ではなく一括請負にしました。(このプロジェクトには多数の外注企業が参画しています。)
 外注企業は、要件定義フェーズを請負にすることには無理があると主張しましたが、A社経営者の強い方針もあり、結局すべての外注企業が請負契約になりました。

 現在、このプロジェクトには大幅な遅れが発生し、プロジェクト全体の士気も下がっているそうです。

 そもそも要件定義は、確固たる作業定義ができないフェーズなので、プロジェクトが進むにつれてニッチな作業が発生します。
 これがSES契約なら「私が担当しましょう」と引き受け手が現れるところですが、請負契約にしたため、各担当者間に仕事の押し付けあいが生まれてしまいました。
 現在、このプロジェクトは会議がやたらと多く時間も長いのですが、その大半が参加各社のスコープの調整に費やされているのです。

 また、請負となったため細かなスケジュール管理は各社の裁量に任されるようになりました。その結果、全体的なスケジュール管理や各社間の作業調整が困難な状態になっています。
 あちらこちらでボトルネックが発生しており、多忙な人はめちゃくちゃ多忙、暇な人はボッーとして過ごす毎日という状況です。

 そもそも、システム開発プロジェクトの上流工程は、曖昧で形が定まらない中を、関係者が試行錯誤し知恵を出し協力しながら、良いシステムを生み出していく過程です。
 それをコスト削減だけに気を取られて、無理やり固定化してしまったのが、今回の問題の最も大きな原因だと思います。

|

« 学生さんからの提言 | Main | 上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
[No.037]反省する力(2004/04/28) »

「プロジェクトマネジメント」カテゴリの記事

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

「IT関連コラム」カテゴリの記事

Comments

The comments to this entry are closed.

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/16525/509808

Listed below are links to weblogs that reference 請負契約の弊害:

« 学生さんからの提言 | Main | 上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
[No.037]反省する力(2004/04/28) »