請負契約の弊害
私の友人が勤務する某大手SIer(A社)の話です。
A社は現在、大規模システム開発の要件定義フェーズを進めています。
A社は、原価低減を第一の目的として、外注企業に対する契約を、SES(準委任契約)ではなく一括請負にしました。(このプロジェクトには多数の外注企業が参画しています。)
外注企業は、要件定義フェーズを請負にすることには無理があると主張しましたが、A社経営者の強い方針もあり、結局すべての外注企業が請負契約になりました。
現在、このプロジェクトには大幅な遅れが発生し、プロジェクト全体の士気も下がっているそうです。
そもそも要件定義は、確固たる作業定義ができないフェーズなので、プロジェクトが進むにつれてニッチな作業が発生します。
これがSES契約なら「私が担当しましょう」と引き受け手が現れるところですが、請負契約にしたため、各担当者間に仕事の押し付けあいが生まれてしまいました。
現在、このプロジェクトは会議がやたらと多く時間も長いのですが、その大半が参加各社のスコープの調整に費やされているのです。
また、請負となったため細かなスケジュール管理は各社の裁量に任されるようになりました。その結果、全体的なスケジュール管理や各社間の作業調整が困難な状態になっています。
あちらこちらでボトルネックが発生しており、多忙な人はめちゃくちゃ多忙、暇な人はボッーとして過ごす毎日という状況です。
そもそも、システム開発プロジェクトの上流工程は、曖昧で形が定まらない中を、関係者が試行錯誤し知恵を出し協力しながら、良いシステムを生み出していく過程です。
それをコスト削減だけに気を取られて、無理やり固定化してしまったのが、今回の問題の最も大きな原因だと思います。
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