« 中国オフショア開発の勘所 | Main | 学生さんからの提言 »

上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
[No.036]偶然を仕掛けよう!(2004/04/14)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□□■
□■■  上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
■■□  [No.036]偶然を仕掛けよう!(2004/04/14)
■□□
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

▼上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン バックナンバー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●お詫びとお礼

 最近、すっかり発行頻度が減ってしまいました。申し訳ありません。
 勤務先での職務範囲が大きく広がった上に、「PMシンポジウム2004」実
行委員のボランティア活動に気合が入り過ぎて、メルマガ発行に費やす時間
がなくなってしまいました。

 「PMシンポジウム2004」の方は、私がPMを担当していた企画フェーズ
がほぼ完了しました。このメルマガも、従来の発行ペースに戻れると思いま
す。

 さて、前回のメルマガには多くの方からご意見ご感想を頂きました。
  
  [No.035]「いきあたりばったり」で行こう!

 メールを送って頂いた方々に心から感謝します。
 フィードバックを頂いたことで、多くの「学び」と「気づき」を得ること
ができました。
 今回は、皆さんから頂いたメールを元にして、前回テーマの続編をお届け
します。


●プランド・ハップンスタンス・セオリー

 まず、ある読者の方から、「@IT自分戦略研究所」のコラムを紹介して
頂きました。
  
 コラム:自分戦略を考えるヒント(4)
 偶然を起こし、偶然を生かす方法~キャリアの8割は偶然に支配される!

 「起-動線」の堀内浩二さんが書かれたコラムです。
 とても素晴らしいコラムですね。前回のメルマガで私が言いたかったこと
が、より具体的にわかりやすく述べられています。

 私がこのコラムを読んで最も衝撃を受けたのは、「プランド・ハップンス
タンス・セオリー」という理論です。
 これは、米国のカウンセリング学会誌等で発表された論文で、「変化の激
しい時代には、キャリアは基本的に予期しない偶然の出来事によってその8割
が形成される」とする理論です。
 そのため個人が自分のキャリアを形成するには、偶然を自ら仕掛けること
が必要になるとされています。


 堀内さんのコラムで「プランド・ハップンスタンス・セオリー」を知った
翌々日くらいに、定期的に訪問している中尾英司さんのサイトをブラリと訪
れてみると、何とそこにも「プランド・ハップンスタンス・セオリー」の記
事が掲載されているではありませんか。
 「おぉ、何たる偶然!」と感激していると、その直後に中尾さんからメー
ルを頂き、「プランド・ハップンスタンス・セオリー」をご紹介頂いたので
す。

 ※「プランド・ハップンスタンス・セオリー」については中尾さんがエピ
ソードを交えながら詳しく解説されています。ご興味のある方は、中尾さん
のサイトを是非ご覧下さい。
 http://www.jiritusien.com/kojin-career-8step12.htm

 中尾さんの記事を読んだ後に、『キャリアショック』をじっくりと読んで
みたのですが、素晴らしい本でした。この本には、「プランド・ハップンス
タンス・セオリー」以外にも、私にとって「眼から鱗」の内容がたくさんあ
りました。
 この本の感想については、また別の機会に述べてみたいと思います。


●仕事は楽しいかね?

 さて別の読者の方からは、「偶然」に対する考え方が似ているということ
で『仕事は楽しいかね?』という書籍をご紹介頂きました。
 この方は、この本に大きな影響を受けられたそうです。

 さっそく購入して読んでみたのですが、私もこの本にも感銘を受けました。
 この本の主張には『キャリアショック』と近いものがあるように思います。

 この本は、仕事に行き詰まりを感じている主人公が、大雪で足止めされた
空港で一人の老人との偶然の出会いを通じて、自己変革を成し遂げるきっか
けをつかむ物語です。
 この本の中で老人は主人公に対して以下のようなアドバイスをします。

  「人生は進化だ。そして進化の素晴らしいところは、最終的にどこに行
   き着くか、まったくわからないところなんだよ」
  「成功する人たちはね、自分がどこに向かっているかということはわか
   っていない-ただ、遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守ろう
   と思っている。」

 この老人は、多くの成功者が計画的に人生を管理したのではないこと、た
だ単に目の前の問題解決に集中し、その時に起きた偶然を見落とさなかった
だけであることを説明します。

 『キャリアショック』と『仕事は楽しいかね?』の二冊は、ITプロフェ
ッショナルがキャリア形成を進める上で、非常に参考になると思います。是
非、ご一読を!


『キャリアショック-どうすればアナタは自分でキャリアを切り開けるのか?』
キャリアショック-どうすればアナタは自分でキャリアを切り開けるのか?


『仕事は楽しいかね?』
仕事は楽しいかね?


●私自身のキャリア形成

 考えてみれば、私のこれまでにキャリアも大半が偶然の積み重ねでした。
 いかに、いきあたりばったりでキャリアを形成してきたかを参考までに紹
介します。

 私は、高校生の頃からジャーナリストになることを目標にしていました。
 大学4年生になってからは、放送局や出版社を中心にかなり熱心な就職活
動を行ないましたが、結果は惨敗。
 すると不思議なもので、長い間抱いていたジャーナリストへの思いが、ま
るで憑き物が落ちたかのように無くなってしまいました。
 人生の目標が突然なくなり、さてどうしようかと思っている時に、就職活
動を通じて知り合った広告代理店の社長さんからベンチャー企業に就職して
はどうかと勧められました。

 当時は、「ソード」や「コスモエイティ」などの企業が全盛で、第二次ベ
ンチャー・ブームの後半期でした。その社長さんはこれからの若者は大企業
ではなくベンチャー企業に就職すべきであると熱く語られました。
 すっかり洗脳されてしまった私は、ちょうどタイミング良く開催されてい
た某大手VC(ベンチャーキャピタル)主催の企業説明会に参加したのです。
その説明会はそのVCが自社の出資企業を集めた合同説明会でした。

 そこで出会ったのが現在の勤務先の代表でした。私の勤務先は、ソフト会
社としては、その大手VCが出資した第一号の企業でした。
 当時、私の勤務先はその代表が一人で営業をしているような小さな会社で、
従業員は大半が技術者でした。代表に「君は営業に向いているような気がす
る。私の鞄持ちをしてみないか。」と言われました。起業家の鞄持ちはきっ
と面白いに違いないと思い、世間知らずの私は深い考えも無くあっさりと入
社承諾してしまいました。
 ジャーナリスト志望で文系の私は、システム開発やプログラミングの経験
や知識は皆無でした。ひょっとすると「SE」という職種が世の中に存在す
ることすら知らなかったかもしれません。

 営業担当として入社したつもりの私ですが、入社してからは同期といっし
ょに技術研修を受けました。最初は、営業担当者も技術を知らなくてはいけ
ないんだろうと違和感もなく研修を受けていましたが、そのうち何か変だな
ぁと思うようになりました。
 ちょうど私の入社と時期を同じくして、営業マネジャーが中途入社してき
ました。その方が新入社員研修の講師を担当されたおりに、自分は営業担当
として採用されたはずであることを話しました。
 その営業マネジャー曰く、そんな話は初耳だということでしたので、驚い
た私は代表に確認しました。
 結局、当社の代表が入社前に私に言ったことはその場の思いつきで、おま
けに代表はそんな話をしたことすらすっかり忘れていのでした。(私の勤務
先の代表は、理屈よりも思いつきと勘で行動する人です。しかし、他の同期
のように技術職として採用されていれば、私はおそらく入社していなかった
と思いますので、何らかの縁があったのでしょう。)

 結局、営業マネジャーを雇ったばかりで、新米の営業担当者は当分の間必
要ないという結論になり、私はプログラマーとしての道を歩むことになった
のです。基本的に軽いノリで入社していますし、研修を通じてプログラミン
グがすっかり面白くなっていた私は、「まぁそういうこともあるさ」と気分
を新にしました。

 そして、ちょうど立ち上がったばかりの大手食品メーカーの戦略的物流シ
ステム開発プロジェクトに配属されたのでした。

 このプロジェクトは我々の業界にありがちな下請けではなく、勤務先がそ
の食品メーカーから直接受注したものでした。このプロジェクトは、その食
品メーカーの社運を賭けた大プロジェクトでしたが、それを請負契約で受注
した当社にとっても社運を賭けた大仕事でした。
 そのため、顧客の情報システム部門や勤務先からもエース級のSEが投入
されました。
 優秀な先輩達の下で仕事ができた私は、本当にラッキーだったと思います。
 このプロジェクトではマネジメントの基本がきっちりと行なわれていまし
た。このプロジェクトに配属されたことは今の私にとって大きな財産になっ
ていると思います。

 その後、このプロジェクトの大半の開発が完了し、運用準備フェーズに入
ったところで、私はこの大手食品メーカーの情報システム部門で立ち上がっ
た別のプロジェクトに配属され客先での常駐作業に従事しました。

 客先常駐プログラマーとしての日々を送っていたある日のこと、ぶらりと
訪れた営業マネジャーから飲みに誘われ、営業をやってみる気はないかと打
診されました。
 私の勤務先も事業が急速に拡大しつつある時で、そろそろ営業担当者の数
が足りなくなってきたのでした。経営者や私の上長に異動を依頼したところ、
まず私の意向を確認しろと言うことになったようです。

 当時、プログラマーとしての仕事は充実しており、このままSEになるの
も良いなと思っていました。ただ、好奇心が旺盛でいろんな人と接するのが
好きな私は、いつかは元々の志望である営業もやってみたいと思っていまし
たので、その考えを伝えました。
 私の異動を巡っては、時期も含め、会社の上層部で意見が分かれたようで
すが、できるだけ早い方が良いとの結論に至り、私のキャリアは大きく振ら
れることになります。

 私が営業に職種転換するのとほぼ同時期に、当社ではCG技術を売り物に
した技術計算系システムの請負開発専門のチームを立ち上げました。UNI
Xマシンや最新のグラフィックディスプレイ等に多額の設備投資をした当社
としては戦略的な事業でした。
 そしてそのチームリーダーから専任の営業担当者が欲しいという強い要望
があり、私はそのチームの営業として配属されました。
 ここで私は、会社やプロジェクトチームを代表して顧客や協力会社との折
衝や調整を担当しました。営業と言っても、単に仕事を取ってくるだけでな
く受注したプロジェクトの面倒を最後までみるのが私の役割でした。
 私のキャリアの中では、この営業プロジェクトマネジメントが最も長く、
現在の私のスキルやコンピテンシー習得の場になっていることは間違いあり
ません。

 もし、私が営業になるタイミングが少しでも遅ければ、このチームの専任
営業にはなっていなかったと思います。
(その後、私は、自社開発パッケージの営業や新規事業開発、経営企画等の
仕事を経て現在に至っています。)


 こうして振り返ってみると、私のキャリアのほとんどが偶然で形成されて
いるのが良くわかります。
 ただ、私は単に流れに身を任せるのではなく、目の前の課題に集中しなが
ら、常に自分のやりたい仕事を膨らませてきたと思います。
 また、直接的な利害関係のない人々ともコミュニケーションをとったり、
機会があれば積極的に自分の考えを述べる等の布石を打っていました。
 意識はしていませんでしたが、偶然をつかむ工夫をしていたのだと思いま
す。

--------------------------------------------------------------------
■「自分戦略」へのヒント

 ・キャリア形成の大半は「偶然」に支配されることを理解する。

 ・キャリアを形成するには、偶然を仕掛ける工夫が重要である。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼閑話休題▼

 先日、SCOの麻生社長のお話を少人数で聞く機会がありました。
 UNIXの知的財産権をめぐる争いで、すっかりと評判を落としてしまっ
たSCO社ですが、物事は視点が変われば随分と見え方が違ってくるものだ
なぁと実感した次第です。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ご意見・ご感想・ご質問:mentorpin@mbk.nifty.com
購読登録・解除: http://homepage3.nifty.com/mentorpin/malmaga.htm
──────────────────────────────────
発行元:メンターピン・コンサルティング
     http://homepage3.nifty.com/mentorpin/
──────────────────────────────────
原則として無断転載を禁じます。
ただし、内容を一切改変せず全文転載する場合に限り転載許諾は不要です。
(C) Copyright Mentorpin Consulting 2004
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

|

« 中国オフショア開発の勘所 | Main | 学生さんからの提言 »

「メルマガ・バックナンバー」カテゴリの記事

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

Comments

The comments to this entry are closed.

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/16525/453309

Listed below are links to weblogs that reference 上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
[No.036]偶然を仕掛けよう!(2004/04/14)
:

» はい、ばれちゃった~。 [人生、オレ次第!(新卒×ベンチャー)]
今日は上司と同行。 その途中で。 上司「お前、最近悩んでるだろ。明らかにテレアポの量が落ちてるし」 はい、ばれちゃった~wヽ(*⌒∇^)ノ というのも、中途で入ってきた人がガツガツテレアポするタイプの人なんで、最近あまりテレアポで... [Read More]

Tracked on 2005.11.22 at 12:48 AM

« 中国オフショア開発の勘所 | Main | 学生さんからの提言 »