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上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
 [No.035]「いきあたりばったり」で行こう!

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□■■  上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
■■□  [No.035]「いきあたりばったり」で行こう!
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2004/03/11━

▼上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン バックナンバー
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●読者からのご質問

 読者の方から、「No.032 SE本に惑わされるな!」に対して質問を頂
きました。

 まず、ご質問を頂いたメルマガの一部を掲載します。

 |●「自分戦略」に関する読者からのお悩み
 |
 | 「自分戦略」に関する質問で、読者の方から時々頂くのは、「真の
 |価値観や強みが見つけられず、うまく戦略策定できないが、どうすれ
 |ばよいか?」というものです。
 |
 | これらの質問をしてくる方々は、「自分戦略」を「公式計画・統制
 |型」のイメージで捉えているのではないかと思われます。
 |
 | おそらく「戦略」という言葉に、自分の置かれた環境の変化をしっ
 |かりと分析し、その分析に基づいて自分の進むべき道を決定するとい
 |うイメージがあるのかもしれません。
 |
 | そこには正しく分析をすることによって正解(完璧な戦略)が生み
 |出される。そしてその正解を実行することが「自分戦略」なのだとい
 |う意識があるように感じます。
 |
 | 従って、正解を生み出すためには、「真の価値観」や「強み」にも
 |正解を発見しなければならないという強迫観念があるのでしょう。
 |
 | はっきりと言いますが、少なくともSEの「自分戦略」に関しては、
 |この考えは間違っています。もし、「自分戦略」に上記のようなイメ
 |ージを持っているなら、それは改める必要があります。
 | なぜなら、SEの「自分戦略」は「仮説・検証型」だからです。
 |
 | SEの「自分戦略」は、仮説(計画)と検証(実行)の繰り返しで
 |す。
 | 机上で演繹的・短期的に生み出すのではなく、日々の活動や発想の
 |中から帰納的・長期的に生み出し、フィードバックを受けることで
 |「進化」させるものなのです。
 |
 | 「進化」ですから、時には偶然が大きく影響します。
 | 偶然は誰にも予想することはできません。自分の人生に思ってもみ
 |なかった展開が訪れます。
 | 「自分戦略」に正解(完璧な戦略)は必要ないことを理解して下さ
 |い。

 上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン」
  [No.032]SE本に惑わされるな!(2004/01/12) より抜粋

 頂いたご質問の内容を要約すると以下の通りです。

   SEの「自分戦略」が「仮説・検証型」と言われると、何となく
  もっともらしいのですが、よくよく考えてみると一貫性のない「い
  きあたりばったり」のような気がします。
   それに、「偶然」を前提にした「戦略」にも違和感を覚えるので
  すが、いかがでしょうか。


●「いきあたりばったり」こそ強み

 企業経営やプロジェクトマネジメントにおいて、「いきあたりばったり」
は、戦略なきマネジメントの代名詞みたいなもので、諸悪の根源のように
言われています。

 しかし本当に「いきあたりばったり」は悪いのでしょうか。

 今の世の中、これから起きることを正確に読める人はいないと思います。

 成功者の中には、あたかも自分は先の先まで読んで行動したようなこと
を言う人がいますが、後付の結果論にすぎないと思います。(流れを自分
で作ってしまった人はいると思いますが。)

 このような時代にあって、いくら頭の中で素晴らしい計画を作成しても、
その通りに物事を進めることは不可能です。
 「計画は達成されなければならない」という固定観念にはまってしまっ
て、現状にまったくマッチしない行動をとってしまうのがオチです。

 そもそも日本人は、「いきあたりばったり」が得意な人種のように思い
ます。
 「いきあたりばったり」は、日本人のDNAなのかもしれません。

 そして、トップダウン型でなくボトムアップ型のアプローチを身上とす
るSEの「自分戦略」にとっても「いきあたりばったり」は適していると
思います。

 ただし、留意して欲しいのは、私が主張しているのは、単なる「いきあ
たりばったり」ではありません。
 「自分戦略」としての「いきあたりばったり」は、能動的に「いきあた
りばったり」を行なうという点で、単なる「いきあたりばったり」とは異
なっているのです。

●「明日生まれる卵はいくつ?」

 つい先日、上記の私の考えに近い主張の本に出会い、とても心強く感じ
ました。

 それは、ベリングポイント社の増川稔浩さんが書かれた「明日生まれる
卵はいくつ?」です。


「明日生まれる卵はいくつ?―走りながら考える新経営戦略」
明日生まれる卵はいくつ?―走りながら考える新経営戦略

 この本はアメリカのサウスカロライナ州で酪農を営むヒルズ一家のスト
ーリーを通じて、走りながら考える新経営戦略手法である「ローリング・
フォーキャスト」を解説したものです。

 この中で増川さんは、以下のような主張をされています。

   計画は大事だけど、計画に縛られちゃいけない。
   「あるべき姿」は石にかじりついても実現しなければならないも
  のではなくて、環境が変われば変わるもの。

   計画は死んでも守らなければならないという時代は終わった。
   明日起こることは誰にもわからない。
   計画を守ることより、どれだけ柔軟に計画を変えられるかという
  視点で企業や経営者は評価されるべき。

   我々は今まで中小事業主の「いきあたりばったり」の経営よりも、
  大企業の「計画ベース」の経営の方が優れていると無条件に信じて
  きた。しかしこれは日本が成長する段階にだけに成り立つ一時的な
  ものだった。

 この本は、能動的「いきあたりばったり」のポイントを非常にわかりや
すく説明してあります。興味のある方は是非お読みください。


【余談ですが】
 システム開発プロジェクトの難しいところは曖昧な部分を残したまま、
走りながら徐々に契約や仕様を固めていくところにあります。
 システム開発は、レンガを積み重ねてコンクリートで固めていく塀作り
ではなく、粘土で創作する芸術作品のようなものです。
 不確実性を一切排除したシステム開発プロジェクトから良い成果が生ま
れるとは思えません。

 特に、契約確定フェーズや要件定義フェーズにおいては、「いきあたり
ばったり」をマネジメントしていくことで成功への道筋が開けるのだと思
います。


●「偶然」が生み出す進化

 机上や頭の中で考えた計画が、狙い通りの成果を生み出したことは、い
ったいどれくらいあるでしょうか。

 少なくとも私には、あまり記憶がありません。

 大きな成果やチャンスは、よくよく考えてみると「偶然」がもたらして
いることが多いと思います。

 増川さんの本の中でも、ヒルズ牧場を大きな成功に導くのは、ある「偶
然」がきっかけになっています。
 多くの読者は、しょせん作り話だから、うまく事が運んだと主われかも
知れません。
 しかし、実際に「いきあたりばったり経営」で成功している企業には、
必ずといっていいほど偶然が作用しているのです。これは「自分戦略」に
でも同様です。
(計画が不要だと言っているのではありません。念のため。)


 私自身のことで言えば、このメルマガは私自身の「自分戦略」における
一つの実行計画として発行されました。
 元々の発行の狙いはありますが、思った通りの成果には必ずしも結びつ
いていません。

 しかし、このメルマガを通じて思いもしなかった成果がありました。

 例えば、現在私は「プロジェクトマネジメントOS本舗」の好川哲人さ
んや「あきらめの壁をぶち破った人々」の中尾英司さんと非常に懇意にし
て頂いていますが、これらのリレーションは、このメルマガがなくては生
まれなかったものです。

 これらは、予想だにしなかった「偶然」の産物なのです。

【参考】

 「プロジェクトマネジメントOS本舗」 好川さんの運営するサイト
 
 「あなたの自律支援.COM」 中尾さんの運営するサイト

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■「自分戦略」へのヒント

 ・「いきあたりばったり」は、必ずしも悪いことではない。
 ・SEの「自分戦略」にとっても「いきあたりばったり」は適している。
 ・能動的に「いきあたりばったり」を行なうのは、単なる「いきあたり
  ばったり」とは異なっている
 ・机上や頭の中で考えた計画が、狙い通りの成果を生み出すことは希で
  ある。
 ・大きな成果やチャンスは、「偶然」がもたらしていることが多い。

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▼閑話休題▼

 先日、近所にある樹林公園の広場を使って、私が所属するボーイスカウ
ト団の全員で旗取りゲームを行ないました。(下は4歳から上は70歳まで。)
 ルールは以下の通りです。

 ・二チーム(一チーム35名)に分かれて旗を取り合う。相手の旗を奪い
  広場中央にいる審判長のところにいち早く到達したチームが勝ち。
 ・陣地を作り旗を置き、攻撃陣と守備陣に分かれる。敵に遭遇するとジ
  ャンケンをし、負けると腕につけた風船を割られる。風船を割られた
  ら広場にいる審判からのクイズに正解しないと戦線に復帰できない。

 我が方はリーダの意向により、各人が勝手きままに攻めるという戦法で
闘いに挑みました。一方敵チームは、チーム編成をして役割や侵攻ルート
をある程度定めて攻めてきました。
 結果は我が方の惨敗。3回戦行なってすべて負けるという悲惨な結果に
終わりました。

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