上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
[No.027]プロフェッショナルに進路を取れ!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
□□■
□■■ 上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
■■□ [No.027]プロフェッショナルに進路を取れ!
■□□
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2003/10/20━
▼上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン バックナンバー
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
●ITエンジニア達の悩み
先日、現場で働くITエンジニア達の声を直接聞く機会がありました。
テーマは自分自身のキャリア形成についてです。
若手からは、実務経験を積む場がないという声があがっていました。
短納期・低価格化のためにプロジェクトに余裕がなくなり、若手に試行
錯誤させたり、仕事を任せることができなくなっているようです。
中堅からは、自分はこれからどんな方向に進めば良いのかが分らないと
言う声が数多くありました。
その背景には、「自分が業界の中で、どのくらいのレベルにあるのかが
見えず不安」、「自分の弱みは簡単に思いつくけど、強みはなかなか思い
つかない(自己分析ができない)」ということがあるようです。
経験10年を超えるプロジェクトリーダクラスからは、「自分が所属する
組織にはマネジメント力が不足していることは実感しており、プロジェク
トマネージャの育成や管理職の育成が重要だと思う。しかし、個人的には
マネジメントではなくITで食っていきたい。」という声がありました。
彼等の悩みを聞いて、あらためてITエンジニア達は一生懸命に頑張っ
ているなぁと感じました。
現在の彼らは暗中模索の状態にありますが、とにかく自分の頭で考え、
何らかの行動を起こそうとしています。
そう簡単に答えは見つからないかもしれませんが、今日を悩むことは必
ず明日につながっていくと思いました。
●ITエンジニアは管理職でなくプロを目指して欲しい
私は、勤務先(情報サービス業)において、人材育成や人事制度改革を
担当しています。
現在、私が最も頭を悩ましているのは、ITエンジニアが楽しく充実し
たエンジニア人生を過ごせるような人事制度とはどのようなものかという
ことです。
いろいろと試行錯誤していますが、なかなか狙い通りに進まず、失敗の
連続です。
そんな私にとって、2003年9月25日の日経産業新聞に掲載されたアルゴ21
社の新しい人事制度に関する記事は、たいへん興味深い内容でした。
以下にその記事を抜粋して紹介します。
■情報システム開発のアルゴ21は今年度からSEに新人事制度を導入
する。目玉は技術力の評価のみで賃金が動く仕組み。
■新制度は今年度から段階的に運用を始め、2005年には全面的に移行
する予定。
■明確な基準で技術力を評価したうえで報酬を現行より引き上げる。
「社員は管理職ではなく技術者を志向してほしい」との狙いがある。
■新制度では「ITスキル標準」を参考にして技術者の職種を大きく
9つに分類。さらに職種ごとに専門分野を設けている。
■一つの専門分野で150~180もの技術力を評価する診断項目をつくっ
た。それぞれの項目について知識や経験を四段階で点数を付ける。
■社員は自分が認定を受けたい職種・分野のレベルを申請。知識・経
験の診断、資格取得、面接などの総合的な審査を通じて合否判定する。
■新制度は技術力を上げてより高いレベルに認定されない限り、月給
が上昇することはない。
■同社会長の佐藤氏はここにきて「生き残る道は技術力しかない」と
いう強烈な危機意識を抱いている。
■独立系の情報サービス会社は多くが大手や顧客のシステム子会社の
発注に従ってソフトを開発する下請け的な仕事を担ってきた。
■だが安い人件費を武器に中国のソフト会社にそうした仕事が流れる
ようになってきた。また技術面でも急速に日本を追い上げている。
■このままでは中国勢などに太刀打ちできなくなる可能性がある。
■アルゴ21は新人事制度がこれらの課題を解決する有力策になると期
待している。
■一方で日本的な人事制度と完全に決別することでもあり、同社はリ
スクもあることを自覚しているが、「情報サービス企業の競争力は技
術たるべしという創業以来の経営方針を実行する」として発進した。
「ITエンジニアであれば、管理職ではなくプロを目指すべき」という
のは、かねてから私も主張していたことであり、この記事に対しては基本
的に共感を覚えました。
いろいろと異論を持つ方もいるでしょうが、ITエンジニアから出世圧
力を外し、自分の専門領域で勝負させようとするアルゴ21社の試みは高く
評価できると思います。
実は、つい先日、この人事制度改革を中心になって進めている人事担当
の方から直接お話しを伺うことができました。
いろいろと質問をさせて頂き、本当に参考になることがたくさんありま
した。
特にITエンジニアが自ら希望する職種とレベルを選択して認定を受け
るという仕組みには感心しました。
若手社員であっても自信があれば、最高レベルの認定に挑むことができ
ます。そして、見事に認定を得ることができれば、そのレベルに応じた仕
事を任されるようになります。
意欲も実力もある技術者が、塩漬けにならないようにしているのです。
もちろん、その逆もあります。現在は上位のポジションにあっても、そ
のレベルの実力がないと判定されれば、下位レベルに降格となります。
また、その人事担当の方は、最上位レベルにある優秀なエンジニアは絶
対に管理職しないのが基本方針であると言われました。
自社の強みの源泉がどこにあるかを考えれば、これは当たり前のことで
あると述べられました。
●経営者や管理職もプロたるべし
ただし、記事の中にもありますが、この新制度は大きなリスクを抱えて
います。
人事担当者の方は眠れない日々を過ごしているとのことでした。
同じ人事制度改革の担当者として、この気持ちはよくわかります。
この制度を成功させるためには、いくつかの留意すべき点があると思い
ます。
私が考える留意点は以下の三つです。
一つめは、人材切捨てやエリート偏重の制度にならないようにすること
です。
優れた組織は一部の有能な人間だけで運営されている訳ではありません。
それぞれ層にそれぞれの役割を果たしている人達がいます。それらすべ
てに対する敬意を忘れないことが大切です。
二つめは、この制度の第一の目的が人材育成にあることを忘れないよう
にすることです。
給与制度の改革は、人事制度の改革をすれば、ごく自然に付随してくる
ものです。給与制度改革が第一の目的にならないようにすることが大切で
す。
三つめは、この新制度においては経営者や管理職が果たす役割が非常に
重要になるということです。
認定されたITエンジニア達に使命感と活躍の場が提供できなければ、
この制度は間違った方向に進む危険性があります。
単に給与やポジションでITエンジニアを動議付けることはできません。
まず第一には、経営者や管理職から言霊の入ったビジョンの提示が必要
です。
つまり、この新制度においては、経営者や管理職もITエンジニアと同
様に、マネジメントのプロフェッショナルでなければならないということ
です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼閑話休題▼
ビーバスカウトの子ども達といっしょに芋ほりに行ってきました。
芋ほりは宝探しのようで、子ども達は大喜び!
持参したスーパーの袋に入りきらないほどのサツマイモがとれました。
その場で作って食べた豚汁も、とびっきりの美味しさで、野菜がたくさ
ん入っていたにも関わらず残す子どもは一人もいませんでした。
もちろん、ホクホクの焼き芋もたくさん食べました。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
ご意見・ご感想・ご質問:mentorpin@mbk.nifty.com
購読登録・解除 : http://homepage3.nifty.com/mentorpin/
─────────────────────────────────
発行元:メンターピン・コンサルティング
http://homepage3.nifty.com/mentorpin/
─────────────────────────────────
原則として無断転載を禁じます。
ただし、内容を一切改変せず全文転載する場合に限り転載許諾は不要です。
(C) Copyright Mentorpin Consulting 2003
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
« 上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
[No.026]情報サービス業の経営戦略 |
Main
| 上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
[No.028]なんてたって問題解決 »
「メルマガ・バックナンバー」カテゴリの記事
- 上司に恵まれないSEのために
[No.044]「真実の瞬間」を目指せ!(2004/11/24)(2004.11.24) - 上司に恵まれないSEのために
[No.041]「NOと言えないSE」と顧客満足(2004/09/13)(2004.11.03) - 上司に恵まれないSEのために
[No.042]「ワイガヤ」とソフト開発(2004/10/01)(2004.11.03) - 上司に恵まれないSEのために
[No.043]失敗プロジェクトの中に成功を生み出す方法(2004/11/04)(2004.11.04) - 上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
[No.040]リスクマネジメントとリスクテイク(2004/06/30)(2004.07.11)




Comments