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上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
 [No.026]情報サービス業の経営戦略

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■■□  [No.026]情報サービス業の経営戦略
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2003/10/07━
▼上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン バックナンバー
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●携帯電話ショップになったメンズ・ショップの話

 十数年前の話しですが、当時住んでいた家の近くに店長が一人で経営し
ているトラッド系のメンズ・ショップがありました。店長のAさんは30歳
前後で、いつも笑顔を絶やさない感じのよいナイスガイでした。

 有名ブランドは置いてありませんでしたが、トラッドらしい落ち着いた
デザインの品揃えで、トラッド・ファッションが好きだった私はよく立ち
寄りました。当時のネクタイやシャツ、コットンパンツはすべてこの店で
購入したものです。

 しかしその後、引越しにより、その店に行く機会はなくなってしまいま
した。

 それから数年後、その店の近くを通ることがありました。久々に立ち寄
ってみると、その店は携帯電話ショップになっていました。

 「あれー、つぶれてしまったかなぁ。」と思いながら、気になって店内
に入ってみました。
 なかなかの繁盛店で、若い店員さんがお客さんに対応しています。ひょ
っとしたらという気持ちはあったのですが、Aさんはいません。
 もともと携帯電話を買うつもりはなかったので帰ろうとしたら、店に入
ってくるAさんにばったり出くわしました。

 Aさんの話しによると思い切って商売変えをしたとのことでした。事業
は成功しているようで、他にも何件かの店を持っているとのことでした。

 Aさんに限らず、商業の世界では、今までとはまったく違う商売に転向
して成功した例がたくさんあります。

 実践マーケッターとしてカリスマ的存在である神田昌典氏は、その著書
の中で、経営戦略はまず商品ありきだとしています。
 「運よく成長する商品に出会えば、どんなバカな経営者でも爆発的に儲
かってしまう」と述べています。
 そして成功している起業家は共通して、絶妙なタイミングで成長する商
品を取り扱い、絶妙なタイミングでその商品を手放していると述べていま
す。

 「ほったらかしでも売れてしまうものを見つける。そしてその商品が売
れているうちに、次のほったらかしでも売れる商品を見つける。」
 これが商売の極意なのかもしれません。

●分析型かプロセス型か

 あくまで一般論ですが、多くの商業系企業の経営戦略は神田氏が述べる
経営戦略と、基本的に同じスタンスにあるように思います。
 簡単に言ってしまえば、いかにして市場のニーズを見つけるか、あるい
はいかにして成長市場の中に身を置くかということです。

 商業系企業間の競争は短期決戦の応酬であり、驚くほど短い間に業界の
地図が塗り変わることがあります。

 そこでは、市場機会等の外部環境分析が主体となります。もちろん自分
が持つ強みの分析も行いますが、強みは市場に切り込むため、または競争
の優位性を維持するための道具という位置づけになります。

 一方、工業系やサービス系企業の経営戦略は商業系企業と根本的に異な
るところがあるように思います。

 冒頭のAさんのように、昨日まで服を製造していたメーカーが携帯電話
を製造することはできません。生産設備はもちろんのこと、組織内に蓄積
された技術が大きく異なるからです。

 工業系・サービス系企業においては、いかに売れ筋商品を見つけるかと
いうトップダウン型・分析型の経営戦略ではなく、自分達の強みをいかに
蓄積し展開するかというボトムアップ型・プロセス型の経営戦略が重要で
す。

 その経営戦略は、短期的で華やかな商業系企業の戦略に比べて、長期的
で地道です。

●情報サービス業の経営戦略

 私が所属する情報サービス産業の多くの企業は、これまで明確な経営戦
略を持たずに発展してきました。ここにきて、ようやく戦略的な思考やマ
ーケティングを経営に取り入れようとしています。

 厳しい経営環境の中、多くの情報サービス業はビジネスの方法を大きく
変えようとしています。従来の人材派遣型ビジネスモデルからの脱却を図
ろうと模索をしているのです。

 これは自体は、とても良いことだと思います。

 しかし、現在の情報サービス業の経営戦略のあり方には、少々違和感を
感じています。
 特に気になるのが、売れ筋の製品を担いだり、自社で開発したシステム
を製品化して受託型から商品販売型のビジネスに転向しようとする動きで
す。

 これらの経営戦略の多くは、トップダウン型で分析的です。市場には何
が受けるのかということに意識が向かいすぎているように思います。

 自社の内部にある強みを、さらに蓄積し、それをどう市場に展開すれば
良いかという意識が希薄です。
 SWOT分析等を通じて自社の強みを洗い出してはいるものの、それは
単なる営業ツールを作るという発想に留まっています。

 このような経営戦略では、もし運良く「ほったらかしでも売れてしまう
商品」にめぐり合ったとしても、長期的に組織力を向上させることはでき
ません。

 情報サービス業は商業系企業でなく、工業系・サービス系企業ですから、
その経営戦略はボトムアップ型プロセス型が適しています。
 情報サービス業のトップマネジメントは自社のエンジニアが持つ潜在的
な能力に注目し、組織力開発や人材開発の戦略を打ち出す必要があります。

●可能性は自分自身が持っている

 思い起こせば、バブル経済が崩壊した約10年前に、情報サービ産業では、
業態を改革し戦略的な思考で会社の方向性を考えなければいけないとの機
運が盛り上がったことがあります。

 しかし、その機運はいつの間にか下火になってしまいました。
 その後、公共投資の増加とその後のITバブルによって、情報サービス
産業は不況どころか産業界の中で一人わが世の春を謳歌することになって
しまったからです。
 そのような中で、危機感はいつのまにか薄れ、相変わらずのビジネス・
スタイルで、とうとう21世紀まできてしまいました。

 今の経営環境は、情報サービス業にとって自己改革し組織力を備える最
後のチャンスです。
 そしてそのチャンスを掴む可能性は外部ではなく、自分自身の中にある
ことを自覚する必要があると思います。

 そしてこれは一人一人のSEにも言えることなのです。

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■閑話休題

 我家の娘(小三)は、ずぅーと犬を飼いたがっています。
 私としては、飼育マニュアルを作成することと家族全員の賛成を条件に
してOKを出したのですが、母親の許可がなかなかでませんでした。
 娘の粘り強い交渉の結果、犬の世話はすべて娘がやることを条件によう
やく許可がおりました。

 娘は図書館で犬の飼育に関する本を何冊か借りてきて、ノートに飼育マ
ニュアルを作成中です。

 私は子供の頃、犬を飼っていたので犬が好きです。小学生の頃はコリー
(♀)、中学生からは紀州犬(♂)を飼っていました。
 犬がいる生活って本当によいですよね

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