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 [No.023]上司について考える(1) ピーターの法則
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 [No.024]上司について考える(2) ディレールメント

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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2003/08/29━
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●有能さが問題を引き起こす

 前回は、「ピーターの法則」をツールにして、問題上司が何故生まれる
かを考察しました。

 昇格により無能のレベルに達し、いつの間にか問題上司なってしまった
人々について考えてみたのです。

 しかし世の中を見渡してみると、問題上司とは無能のレベルに達した人
達ばかりではないことに気がつきます。

 実際には、まだ無能のレベルに達していない有能な上司が問題行動を引
き起こしているケースが少なくないのです。

 「自分は上司に恵まれていないなぁ」と感じている多くの方々の上司は、
決して無能ではなく有能な場合が多いのではないかと思います。

 そして、極めて深刻なのは、有能な問題上司が部下にもたらすダメージ
の大きさは、無能のレベルにある問題上司の比ではないということです。

●アナキンからダース・ベイダーへの変貌

 「スターウォーズ」とういう映画があります。

 ご存知の方も多いと思いますが、「スターウォーズ」の中には、ジェダ
イの騎士という正義の戦士が登場します。

 このジェダイの騎士達は、生まれ持っての素質と過酷な訓練によって、
超人的な肉体と精神を有しています。

 彼等のパワーの根源は「フォース」と呼ばれるものです。ジェダイの騎
士として優秀であればあるほど、この「フォース」の持つパワー強く引き
出して利用することができます。

 しかし、この「フォース」には暗黒面があり、優秀なジェダイの騎士で
あるほど、この暗黒面に引き込まれやすいという傾向があります。

 「スターウォーズ エピソード1~3」に登場する主人公のアナキン・
スカイウォーカーは、優秀であるが故に「フォース」の暗黒面に引き込ま
れ悪の権化であるダース・ベイダーになってしまいます。

 優秀な人材が昇進してポジションを得るうちにいつの間にか、問題上司
に変貌してしまうのは、あたかもアナキンがダース・ベイダーに変わって
しまったかのようです。

 これは、人に高い業績を生み出させる根源になっている要素には「フォ
ース」と同じく、暗黒面があるからではないかと考えられます。

 例えば、自信も過剰になると傲慢や偏執になりますし、統率力も強すぎ
ると支配や抑圧になってしまいます。

 つまり、優秀で高い業績を上げている人だからこそ陥りやすい罠が存在
するのです。

●コンピテンシーとディレールメント

 高い業績を上げる人達の行動特性を「コンピテンシー」と言います。
 最近の人材開発にはこのコンピテンシーを取り入れる企業が多くなって
きました。
 コンピテンシーをモデル化し、それを見習わせることで人材育成につな
げようとするものです。

 マネージャ育成にも、このコンピテンシーモデルは利用されています。

 しかし、有能で高い業績を上げてるマネージャ達にはコンピテンシーだ
けでなくマイナスの行動特性があることが知られています。

 それは、例えば以下のような行動特性です。

  ・部下の意見や行動に対して常に否定的な反応をする
  ・トラブル等が発生すると、悪いのはすべて部下だと考え自省しない
  ・完璧主義者で部下の些細なミスを許せない
  ・公の場で部下を叱責し、相手の自尊心を傷つける
  ・公私に渡り部下のすべてを自分の支配下に置こうとする
  ・批判されると、過剰な自己防衛反応を示す
  ・人に対して無関心で、部下の面倒をみない
  ・部下の失敗を感情的に叱責する
  ・常日頃から部下のモチベーションを下げる言動がある
  ・細かいことまでにいちいち口をはさみ部下に任せることができない
  ・何事も、部下に任せ放しでマネジメントを放棄している

 このように優秀なマネージャが陥りやすいマイナスの行動特性のことを
「ディレールメント(レールを踏み外す)」と言います。

 読者の皆さんが問題上司であると感じるマネージャ達には、このディレ
ールメント特性があるのではないでしょうか。

 最近の人事管理の現場では、コンピテンシーを習得するようりもディレ
ールメントを排除する方が、費用対効果が高いという意見があるようです。

 年功序列が崩壊し、SEの業界にも成果主義による賃金制度が採用され
るようになっています。
 このような制度により上司の権限はますます増大化の傾向にあります。

 トップマネジメントは、問題上司の存在が組織の発展を阻害する大きな
要因であることを理解し、マネージャ達のディレールメントを排除する仕
組み作りをする必要があります。


 ★ディレールメントについて、もう少し詳しく知りたい方には、以下の
  書籍がお薦めです。

「同僚と10倍差がつく職場の心理学」
同僚と10倍差がつく職場の心理学

●我がメンターからの忠告

 では、ディレーメントを防ぐにはどうすれば良いのでしょうか?

 組織レベルでは、多面評価やメンタリングを導入することが対策として
有効と言われています。

 しかし何よりも有効なのは、個人個人が自分自身が持つディレールメン
トを自覚することです。

 誰でもディレールメント特性を持っていることを認識し、自分は他者と
は違うと思わないことが大切です。

 最後に、私のメンター(指導者)から私に対する忠告を紹介して、今回
の締め括りにしたいと思います。

(我がメンター曰く)

   人は誰にでも長所と短所がある。
   組織の中でポジションが上がると、その人の持つ長所が増幅され組
  織や他者にプラスの効果を及ぼすが、同時に短所も増幅されてマイナ
  スの効果をもたらす。
   ポジションが上がった際には、天狗にならず自分の持つ短所をよく
  把握し、それが組織や周りの人々に悪影響を及ぼさないように心する
  ことが大切である。

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■閑話休題

 PMシンポジウム2003に多数の申し込みをありがとうございました。
 お陰様を持ちまして満員御礼にて受付を終了致しました。
 また、私が講師を担当するセミナーにも多数のお申し込みを頂き、本当
に感謝致します。
 セミナー当日にお会いできることを楽しみにしております。

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