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上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
 [No.013]質問する力

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■■□  [No.013]質問する力
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2003/03/28━
▼上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン バックナンバー
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●大前研一さんの「質問する力」を読みました

 先日、大前研一さんの著書「質問する力」を読みました。
 大前さんは、この本の中で、これからの世の中を生きていくためには
「質問する力」をつけることが大切だと述べています。

「質問する力」
質問する力

 「質問する力」とは、『政府や、マスコミや評論家の言うことをうのみ
にするのではなく、まず自分の頭で考え、疑問点があればとことん追求し、
自分で納得してから決断する』力です。
 これからの時代においては、『「質問する力」を発揮して、自分と家族
を守っていくことが必要』というのが大前さんの主張です。

 大前さんは、日本の経済がいっこうに立ち直らないのも、日本人に「質
問する力」が不足しているからであると指摘しています。

●日本のSEは「質問する力」を有しているでしょうか

 さて、日本のSEに「質問する力」はあるでしょうか。
 あくまで個人的な意見ですが、残念ながら「質問する力」を有していな
いSEが少なからず存在します。特に最近は、その数が増えているように
思います。

 多くの情報システム開発プロジェクトが失敗する根本原因には、やはり
SEに「質問する力」が不足していることがあるのかもしれません。

 顧客からのヒアリングや要件分析などで目の覚めるような質問ができる
SEは、それほど多くないように思います。
 中には顧客の要求をただ黙ってメモするだけで、ほとんど質問をしない
SEがいます。
 このようなSEが担当する情報化プロジェクトの多くは、悲惨な道をた
どることになります。メンバーは月月火水木金金で働くことになり、採算
は大赤字、その上顧客にも損害を与え、そのプロジェクトに関わった多く
の人々が不幸になります。

 ここには、大前さんが指摘する、政府の言いなりになって行動したため
に悲惨な目にあっている日本人達と同じ構図があります。

●SEにとって「質問する力」は、とても重要なスキルです

 そもそも、ヒアリングの場での要望やRFP(提案依頼書)などの顧客
から提示される文書には、矛盾点や曖昧な点が数多くあります。
 そして多くの場合、顧客自身もそのことに気がついていません。
 そのような要望やRFPに対して、ろくに質問もせず、そのまま見積も
ったり作業に着手したのでは、命がいくつあっても足りません。

 情報システムの構築に限らず、日本人は、あらかじめ自分の要求を明確
にすることが苦手な人種です。
 かく言う私も、居酒屋などで注文をする際に「とりあえずビール3本」
とか「本日のお薦めを適当にみつくろって」などと頼むことがあります。
 これは、飲む酒の銘柄や料理に使用するドレッシングの種類など、注文
する際から要求仕様を明確にできる欧米人とは明らかに違います。
 日本人は、出された料理を目にすると、ようやく本当に自分が食べたか
ったものが、わかるのです。
 つまり、日本人は質問という刺激を受けてはじめて自分が本当に欲しい
ものや必要なものが明確になるのです。

 顧客の要求をヒアリングしたりRFPを読むという行為は、罠が山ほど
しかけられた迷路の中を進むようなものです。その迷路から、無事に生還
するスキルとして「質問する力」は必要不可欠なものです。

●「質問する力」は、どうすれば修得できるのでしょうか

 どうやったら「質問する力」を修得することができるのでしょうか。

 大前さんは、「質問する力」はすなわち「論理的に思考する力」である
と述べています。
 日本人が論理的思考に弱いことは、多くの方が指摘しています。
 大前さんは、日本人が論理的思考に弱いのは、先天的なものではなく、
そのような訓練を受けてこなかったからだと指摘しています。質問をする
ことは論理的な思考を身につける訓練になり、論理的な思考を身につける
ことで「質問する力」が備わるというわけです。

 論理的な思考力を身につけるためには、まず、他人の話を聞く際や他人
が書いた文章を読む際に、その中で展開されているストーリーを構造化す
ることです。

 この構造化に慣れてくれば、相手の言っていることが、頭の中で視覚化
できるようになります。
 そうなると、視覚化された構造の中で欠落している箇所や曖昧な箇所を
見つけ出し、それを明確にするための質問ができるようになります。
 これが「質問する力」の正体なのです。

 構造化には、いくつかのツールがあります。
 そのうち主なものを以下に列挙します。

 ○問題構造

  ┌──────┐  ┌────┐  ┌────┐
  │問題(事象)├─→│ 原因 ├─→│ 対策 |
  └──────┘  └────┘  └────┘

  ┌──────┐
  │あるべき姿 ├┐
  └──────┘| ┌────┐  ┌────┐
          ├→│ 原因 ├─→│ 対策 |
  ┌──────┐| └────┘  └────┘
  │  現状  ├┘
  └──────┘

 ○ピラミッドストラクチャ

           ┌─────────┐
           │メインメッセージ │
           └─────────┘
                ↑
        ┌───────┴───────┐
    ┌───┴───┐       ┌───┴───┐
    │サブメッセージ│       │サブメッセージ│
    └───────┘       └───────┘
        ↑               ↑"So What?"
   ┌────┼────┐     ┌────┼────┐
 ┌─┴─┐┌─┴─┐┌─┴─┐ ┌─┴─┐┌─┴─┐┌─┴─┐
 │事 象││事 象││事 象│ │事 象││事 象││事 象│
 └───┘└───┘└───┘ └───┘└───┘└───┘
 ※"So What?"は、「それっていったい何?」と自問自答することです。

○マトリックス

 ┌─────┬─────┬─────┬─────┐
 │     │切り口A1│切り口A2│切り口A3│
 ├─────┼─────┼─────┼─────┤
 │切り口B1│     │     │     │
 ├─────┼─────┼─────┼─────┤
 │切り口B2│     │     │     │
 └─────┴─────┴─────┴─────┘

○機能モデル(IDEF0)

       制約条件(C)
          ↓
        ┌───┐
  入力(I)→│機 能├→出力(O)
        └───┘
          ↑
        手段(M)

 上記のようなツールを使いながら構造化を行なう訓練をすれば、自ずか
ら「質問する力」を修得することができます。

 もし、時間がある方は、さっそくこのメルマガのストーリーを構造化し
てみて下さい。
 どこかに質問が必要な欠落箇所が見つかるかもしれませんよ。

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■閑話休題

 先日、地酒のオンラインショップで有名な静岡県蒲原町の「市川商店」
から「雁木”槽出あらばしり”」というお酒を購入しました。

 ○幸せの酒 銘酒市川

 市川商店の市川社長とは、静岡県主催の「インターネットフェア」で、
セミナーの講師をごいっしょさせて頂き、それがご縁で定期的にお酒を注
文をしています。
 市川さんのお店で扱っているお酒は本当に絶品です。
 実は我が家には晩酌の習慣がありません。近所の方から頂いた日本酒が
空くのに半年もかかるほどです。ところが、市川さんのところで買ったお
酒はあっという間になくなってしまうのです。

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