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上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン
 [No.009]ITCに関する個人的意見

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■■□  [No.009]ITCに関する個人的意見
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2003/01/31━
▼上司に恵まれないSEのために-自分戦略策定マガジン バックナンバー
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●ITコーディネータの現状について説明します

 ご存知の通り、ITコーディネータ制度は中小企業のIT導入を推進す
るために設立されました。

 「経営者の立場にたって経営とITを橋渡しし、真に経営に役立つIT
投資を推進・支援するプロフェッショナル」がITコーディネータ(以下
ITC)です。
 2002年11月29日現在で、約2,700人のITC(ITC補を含む)が誕生
しています。

  ■ITC協会のサイト
   
 企業としてこの制度に注力しているところも多く、NECグループは、
148名、NTTグループは141名、富士通グループは121名のITCを生み
出しています。(2002年11月29日現在)

 いつくかの成功事例が報告されており、成功事例の経営者はITCを高
く評価しているようです。
 また、ITCを取得したおかげで年収が1千万円もUPしたという中小
企業診断士の方もいるようです。

 ところが一方では、ITC制度を疑問視・問題視する声も多く上がって
います。

 ITCに対する肯定的な声と否定的な声を整理すると以下の通りです。

[肯定的な声]

 ・中小企業のIT導入に関して、いくつかの成功事例が出てきている。
  (ITCは役に立つ)
 ・研修カリキュラムが優れている、特にケース研修は実践的で極めて有
  効である。
 ・ケース研修を通じて知り合った人たちとの人的ネットワークやコミュ
  ニティが形成される。
 ・最新の方法論を体系的に学ぶことができる。
 ・ITCのプロセスガイドラインを学ぶことで、全員が共通言語で会話
  できるようになる。

[否定的な声]

 ・成功事例もあるが失敗事例も発生している。
  (ITCは役に立たない)
 ・粗製濫造の感があり、ITCは玉石混合の状態である。
 ・大手企業を顧客としている企業が、社員にITCを取得させるメリッ
  トは少ない。
 ・兼業を認められていない企業において企業人がITCとしての活動を
  することは困難である。(基本的に個人事業者向けの資格である。)
 ・資格維持の基準が厳しすぎる。時間的にも費用的にも負担が大きい。

●個人的意見ですがITCの資格取得はお勧めです

 ITCを取得することによって、独立して食えるようになるかというと、
それは直ぐには難しいと思います。
 また転職に有利になることも、今のところはなさそうです。

 ITCを取得したということは、あくまで基礎を構築しただけであって、
その基礎の上に経験を積むことによってはじめてプロフェショナルとして
の力がそなわってくるのだと思います。
(これは、ITCだけでなく情報処理試験試験やPMP等の他の資格にも
いえる事ですね。そもそも私は、○○○は食える資格かどうかという議論
そのものがナンセンスだと感じています。)

 でもあえて私は、SEの方々にITCを取得することお勧めします。

 その理由は、ITCが「食える」資格だからではなく、「食えるように
なる」ための戦略に活用できるからです。

●ITCの資格取得は難しくありません

 ITCが活用できる理由の一つは、資格取得が難しくないことです。

 特認コースやITC補試験の合格率の高さから、ITCは粗製濫造であ
るという意見があります。
 中には、IT企業がコンサルタントとしての資格を手っ取り早く手に入
れるために、そう仕向けたのだという声もありますが、これは穿った見方
だと思います。

 ITCは制度設計の当初から、門戸を広くして資格取得後の継続学習や
実務経験により、資格取得者のレベルアップをはかっていこうという思想
がありました。
 やたら難易度の高い試験になって使いづらい制度となることを避けたい
という考えが、ITC制度にはあったのです。

 この門戸の広さは、戦略的に活用できます。
 ITC取得を前提としてキャリアプランを作成することができるからで
す。

 合格率が低い資格取得を前提としたキャリアプランを作成してしまうと、
合格できない限り、戦略が前に進みません。
 難関試験合格を前提としたキャリアプランはリスキーです。

【補足です】

 誤解のないように付け加えますが、私はSEが難易度の高い試験に挑戦
することは大賛成です。
 ここでは、あくまで難関資格を自分戦略の中心に据えることの不確実性
の高さを、問題視しているのです。
 それは完成時期がはっきりしない強力兵器を前提にして戦略を立てるよ
うなものだからです。

●ITCは自立を促す良い機会をSEに与えてくれます

 ITC取得者は、ITCのネットワーク等を通じて実務経験を積む機会
を得ることができます。

 企業内ITCであっても兼業すれば、中小企業のIT導入を支援し、経
営戦略レベルからの総合的な実務経験を積むことができます。

 専門領域に特化したエンジニアあっても、たまにはヘリコプターにのっ
て、全体の中での自分の役割を把握できるようになることが大切です。
 ITCの研修を経ることでこのヘリコプターに乗る能力を得ることがで
きます。
 必ず新たな気づきが生まれると思います。

 また、他流試合を行うことで、自分自身の市場価値を客観的に認識する
ことができます。
 いきなり独立や転職して失敗することのリスクを避けることができます。

●企業内ITCは積極的に兼業を行いましょう

 ITCは企業人には活用しづらいという声がありますが、遠慮すること
なく兼業として行えばよいのです。
 それは日本経済活性化のためでもあり自分のためでもあります。

 理想的には勤務先の了承を得ることですが、もしそれが難しくても、方
法はいくらでもあります。

 現在の日本企業で、終身雇用を保証できる企業は稀です。自分の身は自
分で守らなければなりません。

 ITCとして得られる収入は、それほど多くないかもしれません。
 しかし、減った給料や賞与を補完することは可能と思われます。
 なによりも雇用されること以外で収入を得ることは、先々で大きな自信
になると思います。

 そして万が一、リストラされたり定年を迎えたとしても、ITCとして
継続的な活動をしておけば、第二の人生への移行を円滑に行うことができ
るようになるでしょう。

 企業側も、終身雇用や年功序列を保証しないのであれば、企業内ITC
の兼業を積極的に支援するくらいであって欲しいと思います。

 【余談ですが】

  先日の日本経済新聞の記事にもありましたが、最近は兼業を認める企
 業が増えつつあります。
  今後、IT業界でもこの動向は顕著になることでしょう。
  なぜなら、社員の兼業を認めることは企業にとっても社員にとっても
 お互いのメリットとなるからです。
  その理由については今回は述べませんが、賢明な経営者はその有効性
 に気がつきはじめています。

 【さらに余談です】

 以下はITCに関してITC関係者のAさんから聞いた例え話です。

 Aさん曰く

    医者のすべてが開業医ではありません。彼らの多くは企業として
   の病院に勤務するサラリーマンです。
    彼らは若い頃は勤務先で専門医として働き、50代以降に独立し、
   町医者として地域に貢献しています。
    そして、開業後も元の職場と連携しながら地域の医療活動に貢献
   します。
    企業と企業内ITCの理想的な姿がここにあるのではないでしょ
   うか。

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■閑話休題

 このメルマガが、All About Japanソフトウエアエンジニアのリンク集
キャリアビジョンを持つ)で紹介されました。

 ガイドの好川哲人さんは、他にもプロジェクトマネジメントに関するサ
イトを運営されており、私はそのサイトから発行されるメルマガ愛読者の
一人です。

 好川さんのサイトはSEにとってたいへん参考になります。
 ぜひご覧下さい。

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